雪舟観展望所

天橋立を東西南北から眺める「天橋立四大観」のうち、宮津湾・日本海側(東側)から天橋立の長大な砂州を眺めるのが雪舟観展望所(せっしゅうかんてんぼうしょ)。ここからの眺めが雪舟が描いた『天橋立図』(あまのはしだてず/国宝、京都国立博物館蔵)の構図と似ているのでその名があります。

雪舟が描いた絶景は実は地上900mの空中からの想像!?

この参道を上った先に展望台が

4月中旬~4月下旬にミツバツツジが美しく咲く獅子崎稲荷神社(しいざきいなりじんじゃ)の脇を登っていくと「天橋立雪舟観展望休憩所」があり、ここからの眺めが比較的に雪舟『天橋立図』に近いとされています。

実は、獅子崎稲荷神社の背後のピークも、115.9mしかありませんが、この雪舟の『天橋立図』は、標高900mくらいからの視点、かなりの鳥瞰図になっているのです。
というわけで、「雪舟が描いた景色が眺められる」などという案内は誤りで、あくまで「探すと、陸地ではもっともここが近い」というのが雪舟観展望所です。

智恩寺の多宝塔と成相寺の伽藍が同時に描かれることから、制作期が1501〜1506年(明応10年〜永正3年)の間と推測され、1506年(永正3年)没の雪舟が、最晩年、80を越えてからわざわざ丹後に足を伸ばして描いたとされています。
成相寺の建つ山を極端に高くしているなど、かなりデフォルトされているのは、宋元画を学んだことから。

その正確な描写から雪舟は82歳という高齢に鞭打って、獅子崎から天橋立を眺めたと推測できるのです。
ただし、何の目的で、しかも日本的な天橋立を、誰の依頼で描いたのかなど、今の謎に包まれたままなのです。

『天橋立図』/雪舟

 

雪舟観展望所
名称 雪舟観展望所/せっしゅうかんてんぼうしょ
所在地 京都府宮津市獅子崎
関連HP 宮津市公式ホームページ
天橋立観光協会公式ホームページ
電車・バスで 北近畿タンゴ鉄道宮津駅からタクシーで10分
ドライブで 京都従貫自動車道宮津天橋立ICから約5.8km
駐車場 なし
問い合わせ 天橋立駅観光案内所 TEL:0772-22-8030
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三景

日本三景とは!?

寛永20年(1643年)に刊行された林春斎(はやししゅんさい/林羅山の三男・林鵞峰)の『日本国事跡考』の陸奥国のくだりで、松島、丹後・天橋立、安芸・宮島(原文は厳島)を卓越した三つの景観(原文は「三處奇觀」)としたのが、日本三景の始まり。松

天橋立四大観

天橋立四大観とは!?

日本三景に数えられる宮津湾を横切る全長3.6kmの砂州が天橋立。東西南北の山上から一望にするのが、天橋立四大観。股のぞき観と呼ばれる股のぞき発祥の傘松公園からだと、「斜め一文字」に砂州が伸び、飛龍観は垂直に、雪舟観と一字観は横一文字になりま

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ