背割堤

背割堤

京都府八幡市、洪水防止を目的に、桂川、​宇治川、木津川の淀川三川合流部の宇治川と木津川を隔てる全長1.4kmの堤防が背割堤(せわりてい)。淀川河川公園の景観保全地区(背割堤地区)に指定され、220本のソメイヨシノが植栽され、開花期には『背割堤さくらまつり』も開催されています。

淀川の洪水防止を目的に築かれた堤

背割堤

背割堤の構築により、宇治川と木津川の合流点を下流に移すことができ、木津川の流量が増加しても桂川、宇治川に影響が及ばないようになったのです(明治時代に木津川は、淀で宇治川に合流)。
背割堤という名も固有名詞ではなく、土木用語。
ふたつの河川の間に合流点を下流へ移し、水位差による影響を軽減させる目的で築かれた堤防のことをいい、木曽川と長良川の間にも背割堤があります(岐阜県海津市、木曽長良背割堤)。

『淀川改良工事沿革略誌』(明治42年)によれば、「此の区域には一大改良を施し、宇治川を淀町の南に転し、その納所地先に於て桂川と合流するものを更に木津川の合流点まで引き下げ、桂川左岸、宇治川右岸に延長四百間にも亘る一大背割工を施し、之れに由りて桂川に放出する悪水の快流を期せんとす」という目的があったのです。

明治29年から本格的な治水事業が開始され、明治43年に合流点が現在地に変更され、大正6年の水害を契機とした「淀川改修増補工事」で、背割堤が昭和8年に完成しています。
木津川上流部にあった、京都府で最大の面積を誇った湖、巨椋池(おぐらいけ)も昭和8年〜昭和16年に干拓され、農地になっています(京都競馬場の馬場中央に残る池はその名残といわれています)。

ビジターセンター的な役割を担った「さくらであい館」には、地上25mから背割堤の桜並木を眺められる展望塔「三川・空の窓」、淀川三川の歴史や昔の写真が展示される休憩コーナーなどがあるほか、「淀川三川さくらレンタサイクル」の貸し出しも実施(25インチ、26インチのマウンテンバイクを貸し出し、合計5ヶ所の受付場所で、返却が可能)。

背割堤
背割堤
名称 背割堤/せわりてい
所在地 京都府八幡市八幡溝落
関連HP 八幡市公式ホームページ
電車・バスで 京阪電車石清水八幡宮駅から徒歩10分
ドライブで 名神高速道路大山崎ICから約2km
駐車場 淀川河川公園駐車場(154台)・さくらであい館駐車場(22台)/無料
問い合わせ さくらであい館 TEL:075-633-5120
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
淀川

淀川

琵琶湖(滋賀県大津市)から流れ出る瀬田川を源流に、京都府で宇治川と名前を変え、京都府大山崎町で桂川・木津川と合流し淀川となって大阪平野を流れ、大阪市で大阪湾に流れ出すのが淀川。幹川流路延長は75km、流域面積8240平方キロ(日本第7位)の

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ