愛宕山ケーブル愛宕駅跡

愛宕山ケーブル愛宕駅跡

京都府京都市右京区、山頂に愛宕神社が鎮座する愛宕山(924m)の南、水尾わかれ近く、標高745mピークの直下にあるのが、愛宕山ケーブル愛宕駅跡。かつての愛宕山鉄道鋼索線(清滝川駅〜愛宕駅/2.13km)の山頂駅(愛宕駅)の跡で、コンクリート2階建ての遺構が残されています(荒廃しているので、立ち入りは危険)。

愛宕山参詣に活躍したケーブルカーの山頂駅跡

清滝川駅〜愛宕駅間、高低差638.83mを結ぶケーブルカーが、愛宕山鉄道鋼索線。
嵐山駅〜清滝駅間(3.39km)の愛宕山鉄道平坦線とともに、愛宕神社参拝の貴重な足となっていました。

京阪電気鉄道と京都電燈の共同出資で昭和2年8月1日に誕生した愛宕山鉄道(昭和2年12月1日、京阪電気鉄道と京都電燈との共同出資で鞍馬電気鉄道も創立、高野山を含め、参詣鉄道敷設のブームでした)。
昭和4年に平坦線、鋼索線、スキー場が開業、昭和5年7月20日には眺望を誇った愛宕山ホテル、飛行塔も誕生しています。
愛宕駅から愛宕神社は少し離れているため、索道線(ロープウェイ)も計画されていましたが実現しませんでした。

戦時中に全線が不要不急線に指定されたことで、レールなどを供出し、昭和19年、休止となり、戦後復興することなく廃線になったもの。

平坦線の跡地は京都府道29号宇多野嵐山山田線、京都府道137号清滝鳥居本線に転用され、清滝トンネルが現存。
鋼索線は、山麓側の清滝川駅は跡地が空き地となり、山中にケーブルカーの線路の土台部分、6ヶ所のトンネルが残されていますが、危険のため立ち入りはできません。

愛宕山駅近くには愛宕山ホテルの遺構もありますが、建物は荒廃しているので近づくことはできません。
飛行塔は、生駒山上遊園地(奈良県生駒市)に昭和4年に誕生したものが現存していますが(戦時中は軍の防空監視塔に使われたため、金属供出を免れました)、愛宕山にも同様の施設があったことがわかります。

愛宕山ケーブル愛宕駅跡
名称 愛宕山ケーブル愛宕駅跡/あたごやまけーぶるあたごえきあと
所在地 京都府京都市右京区嵯峨愛宕町
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
愛宕山

愛宕山

京都市街の北西、京都市右京区の上嵯峨にある標高924mの山。山城国と丹波国との国境近くに位置し、山頂に火伏せの神を祀る愛宕神社が鎮座しています。京の都で最初に朝日を拝む山ということで朝日峰(あさひがみね)とも呼ばれてきました。山腹にはシャク

愛宕神社

愛宕神社

京都市右京区にある全国に900社ほどある愛宕神社(あたごじんじゃ)の総本社が、愛宕神社。大宝年間(701~704年)に修験道の祖である役行者(えんのぎょうじゃ)と白山を開いた泰澄が朝廷の許しを得て朝日峰(愛宕山)の頂に社殿を建立したのが始ま

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ