愛知県は一般的には東日本に分類されますが、近畿との交流も多く、西日本的な文化も有しています。お名前(姓)のTOPは、東日本的な傾向が強く、TOPは鈴木さん(全国2位、東日本1位)です。ところが2位が加藤さん(全国10位、東日本8位)というのが独特で、お名前文化的にも独自路線という感じです。
1位 鈴木さん|2.32%
熊野信仰をルーツにする鈴木さんは、全国2位の大姓で、1.44%の占有率ですが、愛知県では2.32%という高い占有率。
クラスにひとりぐらいはいる計算で、1学年が仮に200人としても学年に4人〜5人は鈴木さんがいることになります。
友達が呼ぶ、あだ名や呼び名も姓ではなく、名になることが多いと推測できます。
鈴木さんのルーツは、和歌山県海南市の藤白神社とされ、紀伊半島の一つの苗字にすぎなかった鈴木姓が全国に広がったのは、3000以上もある熊野神社(神仏集合時代には熊野三所権現)の熊野信仰という山岳宗教によるものです。
2位 加藤さん|2.14%
加藤さんは全国ランキングは10位で占有率は0.71%ほどしかありませんが、愛知県では堂々の2位、しかも占有率は2.14%という驚異の数字です。
小中学校なら、学年学校に数人はいるというレベルで、かなり加藤さんが多いという状況になっているはず。
熊本では神様のような存在の加藤清正も尾張国の出身(現・愛知県名古屋市中村区)。
逆に熊本県では加藤さんは少ない存在なのです。
加藤さんの「加」は加賀、つまりは現在の石川県、「藤」は藤原からきたものと推測でき、加賀の藤原一族というのが名の由来とされています。
3位 伊藤さん|2.10%
伊藤さんは全国6位で、占有率0.90%ですが、愛知県では3位、しかも占有率は2.10%と学年に数人レベルの多さです。
鈴木、加藤、伊藤が愛知県の三大お名前で、小中学校にはたくさんいるということに。
伊藤姓は伊勢(いせ=現在の三重県北中部)の藤原氏という意味で、その祖は佐藤氏と同じ藤原北家・藤原秀郷(ふじわらのひでさと)。
お隣、三重県がルーツなので愛知県に多いというのも頷けます。
4位 山田さん|1.16%
山田さんは、全国レベルではTOP10を外れた12位で占有率も0.65%。
ところが愛知県では、かなりの独自性を発揮して、4位でしかも占有率1.16%。
100人に1人と、かなり山田さんが多い印象です。
西日本では山田さんが9位、近畿地方では8位なので、少し西日本的なのかもしれません。
山田さんは典型的な地形姓で山の中を耕作して田んぼを開いたことに由来する名前。
しかも古代にも蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらのやまだのいしかわのまろ/祖父は蘇我馬子、従兄弟が蘇我入鹿)がいるほどの古いお名前です。
5位 佐藤さん|1.03%
栃木県がルーツと推測される佐藤さん。
佐藤の藤は、伊藤さん、加藤さんと同様に藤原氏がルーツ。
全国ランキングでは1位で占有率1.53%ですが、愛知県では5位、1.03%に甘んじています。
佐藤さんは近畿地方には少なく、西日本全体でも6位、0.64%なので、やはり西日本と東日本の中間という感じになっていて、「日本の真ん中」愛知県という独自性を発揮しています。
【お名前ランキング】愛知県のTOPは鈴木さん TOP5を紹介 | |
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