鈴木さんのルーツを探せ!

『古舘伊知郎の日本人のおなまえっ!』(NHK)で、記念すべき第1回目の放送は、当然のことですが、鈴木さん。そのルーツを求めて、取材班は熊野へ。ズズキとは、どんな木!?と思ったら、「すすき」がルーツなんだとか。

全国の鈴木さんのルーツは和歌山

熊野では、昔、稲刈りの後に刈り取った稲を田んぼに積み上げ、それを「穂積(ほづみ)」と呼んでいた。
そして、積み上げた稲の上に1本の棒を立て翌年の豊作を祈るのだが、その棒を「すすき」という。
ここに穂積氏流鈴木一族が誕生する。
鈴木一族の本拠地は熊野新宮周辺だが、やがて藤白(ふじしろ)湊に移って藤白神社の神官となり、鈴木党を形成。
この鈴木党が鈴木姓の中心的存在となり、代々藤白を拠点として発展する。

──世界遺産の熊野古道の入口にある藤白神社を訪れる人は多く、神社の境内には大理石の大鳥居が立ち、“全国の鈴木さんいらっしゃい”と書かれた幟が風に揺れている。
神社に隣接する鈴木屋敷には“鈴木邸”の表札が掛かり、全国に200万人ほどいる鈴木氏の総本家であることを示している。
藤白神社にある鈴木氏の系図によれば、「イザナギノミコト」からはじまって鈴木重吉(故人)氏まで122代続いているのだ。

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千年もの樹齢の楠木が境内一杯に覆い繁っている和歌山県海南市の藤白神社

千年もの樹齢の楠木が境内一杯に覆い繁っている和歌山県海南市の藤白神社

この、紀伊半島の一つの苗字にすぎなかった鈴木姓が広がったのは、全国各地に3,000以上もある熊野神社の熊野信仰という山岳宗教による。
神官である鈴木一族が、布教先に住み着いて次々と熊野神社を建立したため、鈴木一族は各地に広がったわけである。

鈴木屋敷にご対面!

境内には藤白神社の神官を務めた「藤白鈴木氏」の屋敷跡も現存、ここが全国2番目に多い姓である鈴木さんのルーツとされている。
「鈴木家25代・鈴木重秀が住み始めた邸宅で、その後、122代、昭和17年まで鈴木家が住んでいたといわれています」
(藤白神社宮司)とのこと。
現在、鈴木姓ゆかりの人たちが藤白鈴木会を結成し、ルーツの研究を深めている。

キャイ~ンのウド鈴木もメ~テレ(名古屋テレビ)の『ウドちゃんの旅してゴメン』で、鈴木姓のルーツである藤白神社を訪ねている。
この藤白神社には「鈴木家御守」まであるのだから、鈴木さんなら行かないわけには、いかないだろう。

鈴木屋敷2015

藤白は熊野古道の玄関口。熊野まではあまりにも遠いので藤白神社にお参りし都に引き返した人々も少なくなかったという。
「ここから熊野街道」と記された標石も立っている。
ここから熊野街道

──その後、源平合戦のとき鈴木重家・重清兄弟は義経に殉じ、重家の叔父である重義は三河で熊野権現を勧請する。
鈴木一族の中でも一番栄えたのが、鈴木重善(すずきしげよし/平安時代の武将)を祖とする愛知県東部の三河地方の鈴木氏である。
三河鈴木党は、戦国時代にはこの地域を代表する有力武士団となり、やがて徳川家康に従い、江戸開府のときには旗本、御家人として大挙江戸に移住する。
家康の家臣の中でも目立って多い苗字が「鈴木」だったのである。そのためもあるのか、今でも東京では佐藤姓より鈴木姓が多いのであろう。

また、信長と戦ったことで知られる戦国最大の鉄砲集団の雑賀(さいが)一族も鈴木一族で、鈴木孫一は紀ノ川河口を本拠地として活躍した。
やがて、遠江、駿河、伊豆にも鈴木氏は発展し、さらに、安房、上総、下総、常陸など海沿いに広がっていく。

鈴木氏の代表家紋は、祖の穂積氏に因んだ稲紋で、稲穂を束ねて丸型にした抱き稲や稲の丸が基本となっている。
他に、熊野神社の使である烏(鈴木孫一の幕紋は三本足の烏であったという)や、神木の梛(なぎ)、藤白の下り藤、蔦、鷹の羽、三本杉、そして神具の一つである鈴など。

【ニッポン旅マガジンMEMO】

鈴木重家・重清兄弟

義経の軍勢に加わり、衣川館で兄弟ともに戦死する。
源氏の水軍が優勢を保つのは、鈴木重家・重清兄弟の尽力により、熊野別当湛増率いる熊野水軍が活躍したからともいわれる。
兄弟の死後、家督は次郎重治が継ぎ、代々熊野に居住する。

鈴木重善(善阿弥)

鈴木重家の叔父。重家に伴って奥州を目指すが、行軍途中の三河で足を患い、賀茂郡高橋庄(豊田市高橋町)に留まる。
滞在中に、義経と鈴木重家・重清兄弟の討ち死にを知り、三河に安住する。
これが三河鈴木党のルーツで、豊田市矢並町向田には鈴木善阿弥屋敷と呼ばれる小高い屋敷跡(個人宅)があり、その一角には善阿弥ゆかりの井戸が残っているというが、個人宅なので残念ながら見学はできない。
ただし、鈴木重善(善阿弥)に関しては南北朝時代の人とする説もあり、定かでない。近くには矢並城(上本城)、矢並城(下本城)などもある。

 

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