福井県坂井市の丸岡城。丸岡城の天守は、現存12天守のひとつで、国の重要文化財に指定されていますが、坂井市と坂井市教育委員会は、天守の国宝化を目指し、城山整備基本計画を策定。江戸時代の城山の姿に復元しようという計画をスタートさせています。2025年12月からは耐震化工事もスタートします。
唯一の「完全に倒壊した状況から修復された天守」
丸岡城観光ボランティアガイド協会長の大霜哲夫さんによると、「江戸時代はどうだったのか」という質問が多いとのこと。
丸岡城で現存するのは、本丸に建つ天守のみで、江戸時代の雰囲気がイメージできない、パビリオン的な施設になってしまっているのです。
坂井市教育委員会丸岡城国宝化推進室は、「丸岡城の本質的な価値を明らかにしていくためにも、整備が必要」としており、市民の意見を汲み上げながら、今後、整備計画を策定する予定です。
丸岡城天守は、昭和23年の福井地震で石垣もろとも完全に倒壊。
天守の材料や石垣などの主要部材の多くを再利用し、昭和30年、修復修理が完成したという現存12天守の中で、唯一の「完全に倒壊した状況から修復された天守」ともなっています。
耐震化の大規模修理は、2025年12月〜2027年11月
2025年8月26日(火)、坂井市は、2025年12月〜2027年11月の間、丸岡城としては初めてとなる耐震化を目的とした大規模な修理工事に入ると発表。
期間は2年間に及び、工事期間中は足場などで天守の外観が見られなくなるため、坂井市は足場の周囲を天守をプリントした特殊な幕で覆う対策を取るとのことです。
池田禎孝((いけだよしたか)市長は「工事幕にラッピングをして丸岡城の景観を見せていきたい。また合わせて工事の様子を貴重な映像記録として残していきたい」と述べています。
工事期間中は、天守に足場がかかり、幕に覆われる期間が発生するほか、天守のある本丸の一部区域で立入が制限される場所があるとのことです。
さらに工事の進捗や安全上の理由により、公開エリアが制限されたり、入場が制限されたりする場合もあるので、事前に確認が必要です。
耐震化工事の概要
- 屋根修理
- 3階廻り高欄修理
- 壁修理
- 建具修理
- その他の工事
「現存12天守」のひとつ、丸岡城が2025年12月〜耐震化工事開始! | |
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