重要文化財・末広橋梁

末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)

三重県四日市市にある全国唯一の現役の跳開式可動鉄道橋梁が、末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)。四日市港の近代化のために昭和6年に完成した長さ58m、幅4mの鉄道橋で、今も現役(JR貨物が保有)。門のようなスタイルの鉄柱からのケーブルで橋の中央部が引っ張られて持ち上がる仕組み。国の重要文化財に指定。

四日市港、千歳運河にかかる跳開式可動橋

今も現役の鉄道橋で、橋梁上には、JR四日市駅とを結ぶ四日市港線が通り、多い日で1日5往復ほどの太平洋セメント四日市出荷センター(セメントはここから船積みされ、全国に出荷)とを行き来するセメント貨車が通過しています。


設計製作は隅田川駅跳上橋、名古屋港跳上橋(現存)、古川可動橋、正安橋、栄橋など各地に可動橋を架橋した可動橋の第一人者、山本卯太郎(山本工務店)。
JR四日市港線(全長2.5km)は、三岐鉄道三岐線東藤原駅から関西本線富田駅、四日市駅を経由して四日市港の太平洋セメントまでセメントなどの資材を運ぶ鉄道で、JR貨物が管理。
かつては関西本線の支線でしたが、現在は四日市駅構内扱いとなっています。

実際の操作は名古屋臨海鉄道が行ない、中部国際空港建設時は土砂輸送で1日12回もの開閉記録が残されています。

陸上輸送と運河の舟運とが拮抗していた時代を反映する貴重な土木構造物で、平成10年に可動橋として初の国の重要文化財に指定され、平成21年には経済産業省の近代化産業遺産、さらに平成27年に日本機械学会の機械遺産認定されています。
重要文化財の指定名称は、末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋) 。

見学にあたっては線路内への立ち入りは厳禁。
近くには自動車・歩行者用の跳開式可動橋である臨港橋もあるのであわせて見学を。

重要文化財・末広橋梁
名称重要文化財・末広橋梁/じゅうようぶんかざい・すえひろきょうりょう
所在地三重県四日市市末広町・千歳町
関連HP四日市観光協会公式ホームページ
電車・バスで四日市駅から徒歩20分
ドライブで東名阪自動車道四日市ICから約10.7km
駐車場なし
問い合わせ四日市観光協会 TEL:059-357-0381
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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