石薬師の蒲桜

石薬師の蒲桜

三重県鈴鹿市にある御曹司社(大木神社の末社)にあるヤマザクラの変種が石薬師の蒲桜。三重県の天然記念物に指定される樹齢800年ともいわれる巨桜ですが(樹齢は定かでありません)、2つの株に分かれて少し樹勢の衰えを感じさせます。例年の花の見頃は、3月下旬~4月上旬。

源範頼の戦勝祈願と武運を占って挿した桜の枝との伝承も

平安時代末期の寿永年間(1182年~1184年)、蒲冠者(かばのかじゃ)と呼ばれた源範頼(みなもとののりより=源頼朝の異母弟、源義経の異母兄)が平家追討のため、西へ向かう途中、石薬師寺(現・鈴鹿市石薬師町)に戦勝を祈願し、武運を占うために「我が願い叶いなば、汝地に生きよ」と鞭(むち)にしていた桜の枝を地面に逆さに挿したところ、見事に芽を出したのが始まりと伝わる伝説の桜。

蒲桜の名は、遠江国蒲御厨(かばのみくりや=現・浜松市)出身の源範頼が蒲冠者、蒲殿(かばどの)と呼ばれたことに由来します。

広重が描いた石薬師の蒲桜をゴッホも真似た!

石薬師宿は、東海道五十三次の44番目の宿場ですが、鎌倉時代も関東と京を結ぶ街道に位置していました。
源範頼が戦勝を祈願したという石薬師寺も神亀3年(726年)、泰澄創建と伝えられる古刹で、寺の東側を東海道が通っています。

ゴッホの描いた『タンギー爺さん』の背景には複数の浮世絵が描かれていますが、そのうちのひとつが、歌川広重 『五十三次名所図会 四十五 石薬師 義経さくら範頼の祠』です。

『五十三次名所図会 四十五 石薬師 義経さくら範頼の祠』
『五十三次名所図会 四十五 石薬師 義経さくら範頼の祠』
タンギー爺さん
ゴッホ『タンギー爺さん』。右上の桜に注目
石薬師の蒲桜
名称石薬師の蒲桜/いしやくしのがまざくら
所在地三重県鈴鹿市石薬師町40番地内
関連HP鈴鹿市観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR関西線加佐登駅から徒歩30分。または、タクシーで5分
駐車場石薬師寺駐車場を利用
問い合わせ鈴鹿市観光協会 TEL:059-380-5595
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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石薬師寺

石薬師寺

寺伝によれば、神亀3年(726年)、加賀・白山の開山で有名な泰澄(たいちょう=奈良時代の修験道の僧)が草庵を築いたのが始まりという古刹が、三重県鈴鹿市の石薬師寺。弘仁3年(812年)空海(弘法大師)が、巨石に薬師如来を刻んだとされますが、あ

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