引作の大クス

引作の大クス

三重県南牟婁郡御浜町、阿田和神社に合祀された引作神社境内地にある、クスノキの巨木が引作の大クス(ひきつくりのおおくす)。樹高35m、直径4mで、推定樹齢は1500年といわれています。「阿田和の大クス」(あたわのおおクス)と呼ばれていましたが、平成3年に引作の大クスに改称。

南方熊楠、柳田國男の保護活動で伐採を免れた大クス

引作の大クス

地上4mほどで、幹が大きく5本に分かれ、遠くから見るとクスの森のように見える巨木。
明治時代後期、神社合祀政策で、三重県では、県下全神社のおよそ9割が廃されることになり、引作神社の大クスも伐採の危機にありました。
これに異を唱えたのが、「大樟樹保護に尽くされよ」という当時の『牟婁新報』の記事を読んだ博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)。

明治39年、40歳で嫌婚し、新婚間もない南方熊楠は、明治40年、鎮守の森の貴重な生態系を守ろうと、神社合祀反対運動を展開。
知人で当時、国の官僚(法制局参事官)だった柳田國男、東京朝日新聞(現・朝日新聞社)・杉村広太郎(杉村楚人冠)に保護を依頼し、なんとか引作の大クスは伐採を免れたのです。
明治末の神社合祀は、神社を国家統制するため、官費出費の対象となる神社数を減らそうというもので、三重県や和歌山県では貴重な照葉樹の森となっていた鎮守の森が失われる危機にあったのです(神社の継続的経営を確立する目的がありましたが、廃される神社では氏子崇敬者が反発していました)。

引作の大クス
名称 引作の大クス/ひきつくりのおおくす
所在地 三重県南牟婁郡御浜町引作456
関連HP 御浜町公式ホームページ
電車・バスで JR阿田和駅からタクシーで10分
ドライブで 熊野尾鷲道路熊野新鹿ICから約22km
駐車場 1台/あり
問い合わせ 御浜町役場産業建設課 TEL:05979-3-0517
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
水屋の大楠

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長太の大楠

長太の大楠

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