日本初となる高速道路の名神高速道路(小牧IC〜西宮IC)が全通したのが昭和40年7月1日。昭和40年10月5日、当時の国鉄と日本急行バスは、日本初の本格的な高速バス路線となる「名神ハイウェイバス」の運行を開始。つまり、名神高速バスがこそが、最も歴史ある高速バス路線ということになります。
国鉄と日本急行バスが、初の高速バスを名神に運行

国鉄は、高速道路時代の到来を見越して、福島県にある白棚鉄道跡地をバス専用道にした国鉄バス専用道(白棚線)で、日野BC10型を使って高速走行の実験を開始。
各メーカーに高いハードルを課して、国鉄専用の高速バスを製作しました。
国鉄の名神ハイウェイバス(正式名は名神高速線)には、日野のRA100P(エンジンは当時最高出力といわれた180°V型12気筒16リッターのDS120型・320馬力を搭載)、三菱のMAR820改(エンジンはターボチャージャー付きDH100H型・230馬力を搭載)が採用され、デビューしました。
いずれにしろ、当時、「日本製の乗用車は高速バスを走れるのか?」といわれた時代。
トヨタもすべての設計を刷新したトヨペットコロナ(2代目)を投入し、高速時代に対応しています。
名神高速道路開通の翌年には日産の初代サニーが登場するなど、日本のモータリゼーションの幕開けを告げる時代でした。
民間資本の日本急行バス(「日急バス」)は、名神高速道路の開通と今後の高速道路網の拡充を見込んで、政府主導で事実上の「国策会社」として設立されたバス会社。
名古屋鉄道(名鉄)、阪急電鉄、京阪電気鉄道、近江鉄道などが全国各地の私鉄・路線バス会社318社が出資した企業でしたが、名神高速バスが3社の競合、さらにはほぼ同時期に開通した東海道新幹線との競合で赤字が続き、昭和46年に名鉄翼下になり、その後、名古屋観光日急と名を変えましたが、現在は名鉄が運行しています。
国鉄の名神ハイウェイバスも、分割民営化で、JR東海バス、西日本JRバスとなっているので、「日本の高速バス路線」で、最も長い歴史を有するのは、名鉄バスの名古屋〜京都(名古屋・京都線)、、名古屋〜神戸(名古屋・神戸線)と、JR東海バス・西日本JRバスの名神ハイウェイバス京都線、名神ハイウェイバス神戸線ということになります。
「日本の高速バス路線」で、最も長い歴史を有するのは!? | |
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