宮城県仙台市青葉区、広瀬川の河畔にある仙台最古の都市公園が西公園(10.8ha)。江戸時代には仙台藩家臣の武家屋敷が建ち並び屋敷林が緑濃かった一角。明治維新後、宮城県が屋敷跡を取得し、明治8年、桜ヶ岡公園を開園。市街東側に榴岡公園(つつじがおかこうえん)が開園したのを契機に西公園と改名したもの。
仙台最古の都市公園
櫻岡大神宮(さくらがおかだいじんぐう)ももともとは園内にありましたが、戦後の政教分離で公園外となっています。
戦前は明治時代の博覧会ブームを背景に「宮城県博覧会」(明治13年)、昭和金融恐慌を克服するための「東北産業博覧会」(昭和3年/第二会場に櫻ヶ岡公園)、満州国大パノラマ館、陸軍館(新兵器、満州事変上海事変戦利品)などが置かれた戦意高揚の「第二師団凱旋記念満蒙軍事博覧会」(昭和8年)、戦局悪化のなか、さらなる戦意高揚を意図した「興亜時局博覧会」(昭和15年)という博覧会の会場にもなった公園で、仙台市の歴史を刻んできました。
公園内には伊達政宗ゆかりの臥龍梅(伊達政宗が朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされる梅で、若林城跡から明治8年に分植されたもの)や桜も植栽され花見の名所になっています。
仙台空襲の際に焼けながら翌年芽吹いたというイチョウの古木も茂り、紅葉も見事。
彫刻「ふたり」(朝倉響子作)、彫刻「杜に聴く」(雨宮敬子作)のほか、キリシタン殉教碑も立っています。
キリシタン殉教碑は、元和元年9月12日(1615年11月3日)、ローマ教皇パウルス5世に謁見した支倉常長(はせくらつねなが)は、元和6年8月24日(1620年9月20日)に帰国していますが、すでに国内ではキリシタン弾圧が始まっており、帰国した1年半後、イエズス会のディオゴ・カルヴァリオ神父(Diogo Carvalho/ポルトガル人宣教師)、仙台領内のキリシタンが、極寒の広瀬川の畔で禁教令により水責めされ殉教したことを慰霊する碑。
画像協力/仙台市観光課、(公財)仙台観光国際協会
C60形蒸気機関車は唯一現存する貴重なもの
機関士がC60形蒸気機関車を「ろぐまる」と呼んだことに由来するC60広場(ろぐまるひろば)には、国内に唯一現存するC60形蒸気機関車(C601)が静態保存されています。
昭和17年10月にC59形式27号機として製造され、昭和28年11月に国鉄浜松工場でC60形式に改造された1号機で、昭和43年9月まで盛岡機関区を中心に東北本線、奥羽本線で活躍した機関車です。
昭和43年に東北本線が全線電化された際、仙台市在住の小学1年生(滝浦真人さん)が国鉄東北支社に手紙を送ったことがきっかけで、西公園に静態保存されることになったのです。
西公園 | |
名称 | 西公園/にしこうえん |
所在地 | 宮城県仙台市青葉区桜ヶ岡公園 |
関連HP | 仙台観光情報サイト |
電車・バスで | 仙台地下鉄大町西公園駅下車すぐ |
ドライブで | 東北自動車道仙台宮城ICから約4.7km |
駐車場 | 4台/無料 |
問い合わせ | 仙台市青葉区公園課 TEL:022-225-7211/FAX:022-211-0016 |
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