モン・サン=ミシェルは、フランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ修道院のある小島。トンボロ現象で形成される砂州で、干潮時にのみ渡れる島にあるカトリックの巡礼地で、世界文化遺産に登録。日本でもトンボロ現象で繋がる島に神社が鎮座する、日本のモンサンミシェルが各地に!
まずは本物のモンサンミッシェルをチェック!
「西洋の驚異」と称される、モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)は、干満差15m以上という干満の差が激しいサン・マロ湾に浮かぶ島で、トンボロ現象(海中の障害物に砂が堆積する現象)で生まれた砂州を使い干潮時に島に渡ることができるというのが基本的な構造。
潮の満ちるスピードが早いため、かつては多くの巡礼者が波にさらわれ命を落としたのだとか。
現在は橋が架けられ、橋を利用して島に渡ることができます。
モン・サン=ミッシェルと姉妹関係にある日本の都市は、宮島のある廿日市市(はつかいちし/広島県)ですが、宮島は完全な島のため、「日本のモンサンミシェル」とはいえません。
「日本のモンサンミシェル」を定義付ければ、トンボロ現象で繋がる島で、神社・仏閣がある島、かつ岩の島ということに。
こうした条件で全国を眺めてみると、すでに「日本のモンサンミシェル」として話題になっている場所もあれば、まだまだ未発掘の地もかなりあります。
江ノ島などは本来は干潮時に渡る島で、現在は橋が架けられている点、江戸時代に江の島の岩窟に祀られた弁財天を参詣する江ノ島詣が人気だった巡礼の地という点で、「日本のモンサンミシェル」の候補地といえるでしょう。
日本のモンサンミシェル 7選
白山島|山形県
所在地:山形県鶴岡市由良2丁目
概要:「東北の江ノ島」と呼ばれる島で、由良海岸のシンボル的な存在で、島の中央には日本海交易を今に伝える白山神社が鎮座
陸側から橋長177mの赤い橋、白山橋が架けられ、263段の石段を上れば、白山神社の社殿
江の島|神奈川県
所在地:神奈川県藤沢市江の島2-3-8
概要:「日本三大弁財天」を祀る島として中世から信仰され、信仰の対象として隆盛した点からはまさに日本版モンサンミシェルの代表格。
宮ヶ島・衣毘須神社|島根県
所在地:島根県益田市小浜町630
概要:小浜海岸にある陸繋島の宮ヶ島に鎮座するのが衣毘須神社(えびすじんじゃ)。「山陰のモンサンミシェル」とも呼ばれています
東山魁夷の皇居の障壁画『朝明けの潮』のモチーフにもなった海岸
エンジェルロード|香川県
所在地:香川県小豆郡土庄町銀波浦
概要:小豆島には満潮と干潮時の水位の差が2m近くあり、トンボロ現象で干潮時に弁天島から中余島、小余島、大余島と続く島々に渡ることができます
弁天島は弁財天が祀られていたと推測でき、恋人の聖地として現代版の巡礼の地になっています
城ヶ島・希望の道|香川県
所在地:香川県小豆郡小豆島町橘乙
概要:小豆島にあるもうひとつのトンボロ現象の島が城ヶ島。エンジェルロードが「天使の散歩道」とPRするのに対し、こちらは「希望の道」
とくに信仰の対象にはなっていませんが、モンサンミシェル的な景観になっています
小島神社|長崎県
所在地:長崎県壱岐市芦辺町諸吉二亦触1969
概要:干潮時の前後、数時間だけ海から参道が現れて歩いて参拝することができ、その雰囲気から「壱岐のモンサンミシェル」と呼ばれています
今も島全体が神域で、まさにモンサンミシェルに親(ちか)しいものがあります
小島神社のある内海湾(うちめわん)は、『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)に記載される「一支国」の王都・原の辻(現在の原の辻遺跡)を訪れる古代船が往来した玄関口です
知林ヶ島|鹿児島県
所在地:鹿児島県指宿市西方
概要:指宿カルデラの外輪山の一部とされる島ですが、3月〜10月の大潮、中潮の干潮時には砂浜が出現し、島に歩いて渡ることができます
現在では「契りの島」とも呼ばれて縁結びの島になっています
日本のモンサンミシェル 7選 | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag