越後国(新潟県)の春日山城、能登国(石川県)の七尾城、近江国(滋賀県)の観音寺城、小谷城(おだにじょう)、出雲国(島根県)の月山富田城が日本五大山城。日本三大山城が、江戸時代に藩庁となった近世的な城郭としても使われたことに対し、この5城はあくまでも中世の山城です。
春日山城|新潟県上越市
所在地:新潟県上越市中屋敷
築城年:南北朝時代
築城者:上杉氏
主な城主:長尾高景(ながおたかかげ)、長尾晴景、長尾為景、長尾景虎(上杉謙信)、上杉景勝
史跡:国の史跡
立地:標高180mほどの山上に本丸、城主や家臣団が平時は麓に居住し、戦時に山城に詰めるという戦国時代の根小屋式城郭(ねごやしきじょうかく)/山麓から本丸跡まで徒歩30分
遺構:土塁、堀切、郭、井戸、虎口などが現存
備考:春日山城跡が堅牢な山城となったのは、長尾為景とその子・長尾景虎(上杉謙信)の頃
山腹に三の丸(上杉三郎景虎屋敷跡・米蔵跡・土塁)、二の丸(笹井戸)、上杉景勝屋敷跡、出陣に際し上杉謙信が戦勝祈願をしたという毘沙門堂(復元)
名城選定:日本100名城
七尾城|石川県七尾市
所在地:石川県七尾市古府町
築城年:正長年間(1428年~1429年)
築城者:能登国守護・畠山満慶(はたけやまみつのり=能登畠山氏の初代当主)
主な城主:畠山満慶、前田利家、前田利政
史跡:国の史跡
立地:七尾湾を一望する標高300mほどの尾根上(松尾)に位置/山麓から徒歩1時間で本丸
遺構:本丸の石垣を中心に、二の丸、三の丸、西の丸、調度丸、長屋敷、遊佐屋敷、温井屋敷、寺屋敷、桜の馬場という各曲輪の石垣のほとんどが現存
備考:七尾市の七尾は、この山城を守る7つの尾根(松尾・竹尾・梅尾・菊尾・亀尾・虎尾・龍尾)に由来する地名
天正4年(1576年)、上杉謙信による能登国侵攻では1年近くに渡る籠城戦を展開
名城選定:日本100名城
小谷城(おだにじょう)|滋賀県長浜市
所在地:滋賀県長浜市湖北町伊部
築城年:永正13年(1516年)頃
築城者:京極氏の配下・浅井亮政
主な城主:浅井亮政、浅井久政、浅井長政
史跡:国の史跡
立地:小谷山(おだにやま・標高495.1m)山上/山麓から徒歩1時間
遺構:土塁、石垣、浅井長政自刃の地などが現存
備考:浅井(あざい)家が浅井亮政、浅井久政、浅井長政の3代にわたって居城とした中世の山城で、浅井長政と浅井三姉妹・お市の方(後に織田家重臣の柴田勝家の正室)との悲劇の舞台
名城:日本100名城
観音寺城|滋賀県近江八幡市
所在地:滋賀県近江八幡市安土町石寺
築城年:不詳、建武2年(1335年)以前
築城者:六角氏頼
主な城主:六角氏頼、六角高頼
史跡:国の史跡
立地:標高432.7mの繖山(きぬがきやま=観音寺山)全体が城域/JR安土駅から徒歩40分
遺構:曲輪、土塁、石垣、竪堀、食い違い虎口、堀切、井戸などが現存
備考:近江守護で湖東、湖南地方を支配した佐々木六角氏の居城で、中世の山城としては日本一の規模を誇った城
名城選定:日本100名城
月山富田城(がっさんとだじょう)|島根県安来市
所在地:島根県安来市広瀬町富田
築城年:文治元年(1185年)頃
築城者:佐々木義清とも
主な城主:尼子経久(あまごつねひさ)、吉川元春(きっかわもとはる)、堀尾吉晴
史跡:国の史跡
立地:標高183.8mの月山(がっさん)の山上にある周囲1.5km四方という大規模な山城で、最高所(吐月峰)に位置するのが本丸/山麓から徒歩30分
遺構:石垣、曲輪、堀切、井戸が現存
備考:で、戦国時代に一大勢力を誇った尼子氏の居城
尼子氏の本拠であったため、大内義隆が毛利氏などの諸勢力を引き連れて攻め込んだ第一次月山富田城の戦いと、大内氏滅亡後に毛利元就が攻撃した第二次月山富田城の戦いの舞台に
名城選定:日本100名城
日本五大山城(戦国五大山城)とは!? | |
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