奈良県吉野郡吉野町の吉野山・中千本ある「陀羅尼助」(だらにすけ)の本家。「フジイ陀羅尼助丸」は江戸時代からの歴史を伝える胃腸薬。吉野山に伝わる「陀羅尼助」は、修験道開祖である役行者(えんのぎょうじゃ=役小角・えんのおづぬ)が、大峰山開山の際、山中のキハダ(黄檗)を薬として使ったことに始まるという伝統の漢方薬です。
修験者愛用の薬を、一般の常備薬にアレンジ
奈良県は、「大和の名薬」(置き薬)として製薬業で有名。
武田薬品、ロート製薬、ツムラ、笹岡薬品もルーツは宇陀など奈良県です。
しかも、全国の県庁所在地と政令指定市のなかで、胃腸薬に使う金額が一番多いのが奈良市。
そんな奈良県、「大和の名薬」の筆頭格が吉野山の「陀羅尼助」というわけなのです。
なかでも創業300年という老舗が藤井利三郎薬房。
往時に大峰山で修行した修験者愛用の薬を、一般の常備薬に発展させたのが藤井利三郎薬房の「フジイ陀羅尼助丸」。
キハダ(黄檗)のほかに、センブリ、ゲンチアナ、延命草、ゲンノショウコ、高麗人参、桂皮などを配合し、胃弱、二日酔い、食べ過ぎ、食欲不振、消化不良、吐き気などに効用があるとのこと。
藤井利三郎薬房に現存する江戸時代の資料には、頭痛、やけど、きりきずなどにも効くと記され、常連は「飲酒の前に呑んでおけば悪酔いしない」とも。
口に含むと特有の苦みがあるが、僧侶が陀羅尼を唱えるときにこれを口に含み眠気を防いことがその名の起こりとも呼ばれています。
木曽御岳の『百草丸』、石鎚山(愛媛県)の『石鎚山陀羅尼丸』、伯耆大山(鳥取県)の『大山煉熊丸』(だいせんねりぐまがん)も同じ仲間ですがが、ルーツはやはり修験道のルーツ、吉野山なのです。
名称 | 藤井利三郎薬房/ふじいりさぶろうやくぼう |
所在地 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山2413 |
関連HP | 藤井利三郎薬房公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄吉野線吉野駅からロープウェイで吉野山駅下車、徒歩15分 |
ドライブで | 西名阪自動車道郡山ICから約34km |
駐車場 | なし/吉野山荘跡駐車場(桜開花期以外は無料)、日乃雄駐車場(70台)を利用 |
問い合わせ | TEL:0746-32-3025/FAX:0746-32-3052 |
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