奈良県天理市にある柳本古墳群のひとつで、柳本古墳群では最大の古墳が渋谷向山古墳(しぶたにむかいやまこふん)。実際の被葬者は定かでありませんが、宮内庁は「山邊道上陵」(やまのべのみちのえのみささぎ)として第12代・景行天皇陵に治定しています。墳丘長は300mもあり、全国8位の巨大な前方後円墳となっています。
全国8位、奈良県2位という巨大な大王墓
古代にヤマト王権があったことから、古墳の多い奈良県でも五条野丸山古墳(橿原市/墳丘長310m)に次ぐ第2位の巨大な古墳です。
前方後円墳、円墳、方墳、各1基の陪塚(ばいちょう=大王の家臣・親族の墓)を従え、4世紀の古墳としては最大規模の古墳です。
卑弥呼の墓との説もある箸墓古墳(桜井市)、西殿塚古墳(天理市)、外山茶臼山古墳(桜井茶臼山古墳/桜井市)、メスリ山古墳(桜井市)、行燈山古墳(崇神天皇の陵/天理市)とともに、ヤマト王権の大王墓と推測できます。
墳丘周囲には周濠が巡らされ、墳丘は後円部で4段築成、前方部で3段築成になっています。
宮内庁の調査で、円筒埴輪、形象埴輪が出土し、古墳時代前期後半(4世紀中頃〜4世紀後半頃)の築造と推測されています。
また、幕末に出土したと伝わる石枕(関西大学収蔵)は国の重要文化財に指定。
江戸幕府は、崇神天皇陵に比定していましたが、幕末に景行天皇陵に改められ、明治時代となって宮内省(現・宮内庁)が景行天皇陵に治定したもの。
平成28年2月26日には、考古・歴史学15学会代表による立ち入り調査が行なわれています。
天皇陵のため内部への立ち入りはできませんが西側の国道169号沿いに拝所、駐車場が設置されています。
古墳の全体を把握するなら南側から眺めるのが最適。
崇神天皇陵とは山の辺の道のハイキングコース「山の辺の道(南)コース」で結ばれ700m、徒歩10分の距離です。
渋谷向山古墳(景行天皇陵) | |
名称 | 渋谷向山古墳(景行天皇陵)/しぶたにむこうやまこふん(けいこうてんのうりょう) |
所在地 | 奈良県天理市渋谷町 |
関連HP | 宮内庁公式ホームページ |
電車・バスで | JR巻向駅から徒歩15分 |
ドライブで | 西名阪自動車道天理ICから約7.7km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 宮内庁書陵部畝傍陵墓監区事務所 TEL:0744-22-3338 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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