奈良県天理市、乙木(おとぎ)集落の北端、山の辺の道(南ルート)沿いにある古社が、夜都伎神社(やつぎじんじゃ)。平安時代編纂の『延喜式神名帳』に記載される「大和国山辺郡 夜都伎神社」の論社のひとつ。山の辺の道を南に歩けば竹之内環濠集落があります。
興福寺大乗院領の荘園に春日神を勧請
乙木は、興福寺大乗院・春日大社の荘園・乙木荘だった地で(すだれを生産)、春日神(現在の祭神も春日四神)を勧請したのが始まりと推測できます。
往古、春日大社から、古くなった若宮社殿と鳥居を60年毎に春日神社に下賜する伝統があり、『春日大社文書』には、応永13年(1406年)、春日大社第四殿を下賜した記録が残されています。
もともと、乙木には夜都伎神社と春日神社の2社がありましたが、江戸時代に乙木が水不足に悩まされていたため、夜都伎神社の社地を三間塚池(現在の十二神社の社地)と交換したため、春日神社のみに。
そのため春日神社を夜都伎神社と改めたもので、今でも俗に春日神社と呼ばれています。
現存する本殿は、明治39年に春日大社から移されたもので、鳥居は嘉永元年(1848年)、春日大社・若宮神社から移設。
ちなみに、13世紀に興福寺大乗院領の荘園の様子を記録した『大和国乙木庄条里坪付図』は国の重要文化財に指定されています(この地図にも春日神社が描かれています)。
夜都伎神社 | |
名称 | 夜都伎神社/やつぎじんじゃ |
所在地 | 奈良県天理市乙木町765 |
関連HP | 天理市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR長柄駅から徒歩30分 |
ドライブで | 名阪国道天理東ICから約4km |
問い合わせ | 天理市観光協会 TEL:0743-63-1242/FAX:0743-63-1242 |
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