奈良県五條市西吉野町北曽木、和歌山県との県境近くを流れる丹生川沿いの斜面全体に植栽された梅林が、賀名生梅林(あのうばいりん)。その数は2万本といわれ、吉野山の桜が「一目千本の桜」ならば、こちらは「一目万本の梅」。花の見頃は例年2月下旬~3月上旬頃。
西吉野の梅の名所には「一目万本」などの見どころも
「一目万本」、「見返り千本」、「奥の千本」など、吉野山の桜になぞらえた名が付けられていますが、満開になると負けず劣らずの見事さで、春の訪れを感じることができます。
延元元年(1336年)、足利尊氏によって都を追われた後醍醐天皇は京の花山院を逃れて、この賀名生に立ち寄り、行宮を築こうとしましたが高野山衆徒の襲来を警戒し吉野に逃れています。
さらに正平3年(1348年)、後村上天皇が吉野山からこの地へと逃れるなど、南北朝時代には皇族ゆかりの地。
激動の南北朝時代、都を追われた公家たちが賀名生(当時の地名は穴生)の梅を歌していることから、古くから梅が栽培されていたことがわかります。
明治10年頃から果実の収穫を目的として本格的な栽培が始まり、大正12年、皇太子(昭和天皇)の御成婚を記念して5000本の苗が植栽され、さらに植え続けられて、賀名生の梅林として知られるようになったのです。
現在栽培されるのは、6月初旬に梅の実が出荷される梅酒に最適な鴬宿(おうしゅく)、そして7月初旬の肉厚で柔らかく、梅干し作りに最適な南高(なんこう)などで、JAならけん西吉野梅選果場などで選果され、梅酒、梅干し用に出荷されています。
賀名生梅林 | |
名称 | 賀名生梅林/あのうばいりん |
所在地 | 奈良県五條市西吉野町北曽木 |
関連HP | 五條市公式ホームページ |
電車・バスで | JR五条駅から奈良交通バス新宮駅行きで19分、賀名生和田北口下車、徒歩15分 |
ドライブで | 京奈和自動車道五條ICから約9km |
駐車場 | 多目的広場/無料 |
問い合わせ | 五條市観光振興課 TEL:0747-22-4001 |
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