新潟県政記念館

新潟県政記念館

新潟市中央区、白山公園横に建つレトロな建物が、新潟県政記念館。明治13年の新潟大火後の明治16年に建築された旧新潟県議会議事堂。明治初期の木造2階建ての洋風建築で、国の重要文化財に指定。信濃川をロンドンのテムズ川に見立て、英国風に建てられた瀟洒な洋館は、八角形の尖塔をのせた左右対称の擬洋風建築で、町並みに見事にマッチ。

擬洋風建築の瀟洒な洋館はかつての議事堂

時の県令・永山盛輝(ながやまもりてる=薩摩藩出身、戊辰戦争からの復興のため尽力)は、新潟学校などを改修して議事堂として使用するのは無理と判断し、県会議事堂新設を主唱。
県会の賛同を得て建設に着手しました。

設計は大阪駅舎などを手掛け、当時新進建築家として注目された西蒲原郡巻町(現・新潟市西蒲区)出身の星野総四郎。
第四銀行本店を建てたのも星野総四郎です。

建設場所は、火災の心配がなく、しかも信濃川沿いで爽やかな風の入る場所(白山公園隣接地)。
漆喰の壁を縁取る隅石や妻飾り、車寄せが付いた玄関ポーチ、バルコニーなど、意匠を凝らした造りは実に見事です。
建築にあたって、福澤諭吉と慶應義塾(現・慶應義塾大学)の政治結社グループが東京府築地木挽町に建築した政談演説公会堂「明治會堂」を模していました(明治會堂は、関東大震災で焼失)。

建築当時は、北前船の繁栄もあって新潟県の人口は、都道府県別で日本一(明治21年=新潟県166万人、兵庫県151万人、愛知県144万人がベスト3)。
新潟の繁栄ぶりを背景に、3万7000円という巨費を投じています。
見事な洋風建築に、新潟の人は目を見張ったそうです。

昭和7年に新設の県庁舎内に議場が移されるまで、県政審議において重要な使命を果たしました。
大規模解体修復工事を経た昭和50年から「新潟県政記念館」として一般公開を実施。

館内には知事室、議長室らが残るほか、明治期の議会場が再現され、県政の資料などを展示しています。
北翼部分が元議場で、2階部分が吹き抜けに。
南翼は1階が傍聴人控室、2階が議員控室という構造です。
中央棟には廊下に沿って知事室、議長室、参与室、応接室などが並んでいました。

国の重要文化財に指定され、冷暖房設備がないため、冬季は温かい服装で入館を。

耐震改修工事に伴い、令和4年12月1日〜令和10年3月31日まで休館

新潟県政記念館
新潟県政記念館
名称新潟県政記念館/にいがたけんせいかいかん
所在地新潟県新潟市中央区一番堀通町3-3
関連HP新潟県公式ホームページ
新潟観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスでJR新潟駅から徒歩20分
ドライブで北陸自動車道新潟西ICから約7km
駐車場白山公園駐車場A、B、C、D(合計592台/有料)利用
問い合わせ新潟県政記念館 TEL:025-228-3607/FAX:025-228-3607
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