荷揚げ場(旧新潟税関庁舎)

荷揚げ場(旧新潟税関庁舎)

新潟県新潟市中央区、安政5年(1858年)の安政五ヶ国条約により、開港場のひとつに選ばれた新潟港。旧新潟税関庁舎は開港五港のうち、現存する唯一の税関建築(擬洋風建築)で、国の重要文化財。建物の前には、旧信濃川の河道と荷揚げ場の石段が復元されています。

旧信濃川の河道と荷揚げ場の石段を復元

荷揚げ場(旧新潟税関庁舎)

新潟税関は、舟運で栄えた信濃川に面し、船からの品物を揚げる荷揚げ場の石段が設けられていました。
新潟港は水深が浅かったので、新潟港に搬入する品物は信濃川河口沖に停泊した大型船から小型の天渡船(てんとせん)に積み替えられ、税関正面の荷揚げ場に接岸し、塔屋(とうや)のある中央入口のアーチを通って通関手続きを行なっていました。

その後荷揚げ場は、信濃川側の埋め立て、さらには地盤沈下で地中に埋もれてしまったため、発掘調査や当時を伝える史料をもとに復元したのが、現在の荷揚げ場です。
復元した石に鋲が打たれているのは、その下に実際の遺構が眠っているということ。

現在の信濃川とは離れていますが、荷揚げ場前に復元された水路がかつての信濃川の河道です。

隣接する石庫(いしぐら)は、昭和57年に復原されたもので、税関に持ち込まれた品物を行き先が決まるまでの間保管する保税倉庫。
木骨石造建築で、骨組みなど、内部は木造ですが防火のために外壁に石が張られていることから石庫と呼ばれています。

明治2年の設置当時(建設当初は運上所、明治6年に新潟税関に改称)には、石庫と並んで土蔵もありましたが、現存していません。

荷揚げ場(旧新潟税関庁舎)
名称 荷揚げ場(旧新潟税関庁舎)/
所在地 新潟県新潟市中央区柳島町2-10
関連HP みなとぴあ新潟市歴史博物館公式ホームページ
電車・バスで JR新潟駅万代口バスターミナルから新潟交通バス昭和大橋・入船町行きで25分、歴史博物館前下車。または朱鷺メッセ先回りコース(犬夜叉号)で15分、歴史博物館前下車
ドライブで 日本海東北自動車道新潟亀田ICから約8.7km
駐車場 60台/無料
問い合わせ みなとぴあ新潟市歴史博物館 TEL:025-225-6111/FAX:025-225-6130
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
早川堀(みなとぴあ新潟市歴史博物館)

早川堀(みなとぴあ新潟市歴史博物館)

新潟県新潟市中央区柳島町、「みなとぴあ新潟市歴史博物館」内にある石倉(いしぐら)の裏手にある水路が早川堀。昭和61年に復元された水路で、敷地内にはほかに、博物館本館脇に大正期の西堀をイメージした幅7.2mの「四間堀」、旧新潟税関庁舎の「荷揚

旧新潟税関庁舎

1858(安政5)年の修好通商条約締結で開港場の一つに選ばれた新潟は明治元年に開港。関税業務を行なう施設として明治2年に新潟運上所(旧新潟税関庁舎)が設置されました。開港5港(箱館、新潟、神奈川、兵庫、長崎)当時の税関として現存する唯一の建

みなとぴあ新潟市歴史博物館

信濃川・新潟西港に面して建つ歴史博物館が「みなとぴあ新潟市歴史博物館」。新潟は北前船の寄港する湊町で、全国各地の物産や文化の集散地でした。湊から河川を使って物資は流通し、江戸時代には商業基地として大いに繁栄したのです。明治の開港以降の発展を

旧第四銀行住吉町支店(みなとぴあ新潟市歴史博物館)

「水の都」新潟の歴史を詳しく解説する「みなとぴあ新潟市歴史博物館」に併設の建物が旧第四銀行住吉町支店。昭和2年に建てられ、平成14年まで営業を続けた第四銀行住吉町支店を移築、復原したもの。鉄筋コンクリート造2階建て、一部3階建ての建物で、設

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ