ドン山の大砲(西海岸公園)

ドン山の大砲(西海岸公園)

新潟県新潟市中央区、日本海沿いに広がる新潟市内最大規模の海浜公園、西海岸公園内にある小高い一角が、ドン山。名前の由来は、往時に全国で作られた午砲台(正午の時報代わりに、空砲を打っていた場所)と、そこに据えられていた大砲にあり、ドン山の大砲が復元されています。

正午の時報代わりに空砲が鳴らされていた場所

ドン山の大砲(西海岸公園)

ドン山の大砲、明治初期に当時の陸軍で使用していたもので、フランス製の大砲を模して国内で製作されたという。
明治4年に午砲の制が定められたことを背景に、新潟では、寄居砂山で明治6年6月15日から正午に大砲で空砲を撃つ午砲(午報)が開始され、「ドーン」という爆音とともに、大砲が鳴り響いたのです。

その後、寄居砂山に旧制新潟高等学校(現・新潟大学)が建設されることになり、「新潟午砲所」は大正8年、海岸砂丘の高台である現在の西海岸公園に移転しましたが、この音にちなんで、二葉中学校西側が「ドン山」と呼ばれるようになったもの。

当初大砲は、市街地側を向いて空砲を撃っていましたが、発射音は大きく、二葉中学校の授業の妨げになるとの理由で、向きを海側に変え、以降大正13年まで設置されていました。

大正13年、礎町に皇太子(後の昭和天皇)の成婚記念として報時塔が建造され、屋上からの汽笛による報時が開始されたことに併せて、ドン山における空砲による報時は廃止されています。

現在は、松林の生い茂る新潟砂丘の一角に、往時の写真や資料などをもとに、その頃使用されていたであろうフランス製の大砲とドン山が復元されています。

全国各地に午砲台(ドン山)は設けられましたが、現存する場所はドンの山公園(長崎市)などごくわずかで、貴重な遺構になっています。

ドン山の大砲(西海岸公園)
名称 ドン山の大砲(西海岸公園)/どんやまのたいほう(にしかいがんこうえん)
所在地 新潟県新潟市中央区西船見町5932-626(西海岸公園内)
関連HP 新潟市公式ホームページ
電車・バスで JR白山駅から徒歩30分
ドライブで 磐越自動車道新潟中央IC、北陸自動車道新潟西ICから約6km
駐車場 763台/無料
問い合わせ 新潟市中央区役所建設課 TEL:025-223-7420/FAX:025-228-1260
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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