新潟県長岡市の南の郊外にある摂田屋地区。その市街を貫く旧三国街道の入口に位置し、レンガ造りの煙突と大きなしょうゆの木桶がひと際目を引く「越のむらさき」の古い社屋と、まるで一体化したようにたたずむのが、この辻地蔵(道しるべ地蔵)。道しるべ地蔵と呼ばれるのは、神隠しにあった娘の悲しい物語があったから。
神隠しにあった娘の霊を弔って建立された地蔵尊
江戸時代、摂田屋地区は三国街道沿いの要地であり、天領として栄え、多くの人々が行き交った場所。
このため街道沿いの辻(分岐など)には、旅の道中、安全を祈願したり、道しるべとしての役割を果たす辻地蔵が置かれていました。
もともとこの地蔵は、このあたりで神隠しにあった、おなかという名の娘の供養のために建てられたもの。
左側面には「千手・たはこや・音蔵・若連中」、さらに右側面に「有縁・無縁・萬霊」と刻まれています。
「有縁・無縁・萬霊」とは、この世のすべての霊を供養するという意。
千手(現・長岡市千手)のたばこ屋・音蔵の娘・おなかが行方不明となり、消息の途絶えた場所に慰霊のために建立された地蔵尊という悲しい歴史があるのです。
地元では「おなか地蔵」と呼ばれ、子育て・子宝の守り神として信仰されてきました。
また台石裏面の文字から、文化3年(1806年)3月の建立とされ、台石正面には「右ハ江戸、左ハ山路」と刻まれています。
辻地蔵(道しるべ地蔵) | |
名称 | 辻地蔵(道しるべ地蔵)/つじじぞう(みちしるべじぞう) |
所在地 | 新潟県長岡市摂田屋3-9 |
電車・バスで | JR宮内駅から徒歩10分 |
ドライブで | 関越自動車道長岡ICから約9.7km。または、長岡南越路スマートICから約7.2km。北陸自動車道中之島見附ICから約14.5km |
問い合わせ | 長岡市観光企画課 TEL:0258-39-2344 |
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