前山寺

前山寺

「信州の鎌倉」といわれる長野県上田市の塩田平を代表する真言宗智山派の名刹、前山寺(ぜんさんじ)。寺伝によれば、弘仁3年(812年)、空海(弘法大師)が護摩修行の霊場として開基と伝えられます。「未完成の完成の塔」と称される三重塔は、国の重要文化財。庫裏(くり)でいただく「くるみおはぎ」も名物です。

和様と禅宗様を取り入れた三重塔は必見

前山寺
「未完成の完成の塔」と称される三重塔

空海開基というのはあくまで伝承の域を出ませんが、中世に塩田城の鬼門に位置し、その祈願寺として機能していたと推測できます。
鎌倉時代の元徳3年(1331年)、四国の讃岐(さぬき・香川県)の善通寺(ぜんつうじ=空海生誕の地)から長秀上人が来山し、寺を拡充しています。

古い松やケヤキ、山桜の並ぶ参道を通り、石段を上ると山門。
山門の向こうに見えるのが、室町末期建築(和様・禅宗様の折衷様式)の国の重要文化財、三重塔。
塔高19.5m、「未完成の完成塔」と称されていますが、未完とされるのは、2層目と3層目に欄干や窓がないため。
その簡素さがかえって美しく、人々の共感を呼んだのです。

奥の院の岩屋堂は、往時の護摩修行の霊場だと推測できます。
前山寺に伝わり、庫裏の座敷にて接待される名物の「くるみおはぎ」も美味(要予約/4月〜11月)。

塩田平には前山寺の三重塔(国の重要文化財)のほか、安楽寺(別所温泉)に八角三重塔(国宝)、大法寺(青木村)に三重塔(国宝)、常楽寺(別所温泉)に多宝塔(国の重要文化財)、信濃国分寺(上田市国分)に三重塔(国の重要文化財)があり、「古塔めぐり」を楽しむことができます。信濃国分寺空海開基というのはあくまで伝承の域を出ませんが、中世に塩田城の鬼門に位置し、その祈願寺として機能していたと推測できます。
鎌倉時代の元徳3年(1331年)、四国の讃岐(さぬき・香川県)の善通寺(ぜんつうじ=空海生誕の地)から長秀上人が来山し、寺を拡充しています。

古い松やケヤキ、山桜の並ぶ参道を通り、石段を上ると山門。
山門の向こうに見えるのが、室町末期建築(和様・禅宗様の折衷様式)の国の重要文化財、三重塔。
塔高19.5m、「未完成の完成塔」と称されていますが、未完とされるのは、2層目と3層目に欄干や窓がないため。
その簡素さがかえって美しく、人々の共感を呼んだのです。

奥の院の岩屋堂は、往時の護摩修行の霊場だと推測できます。
前山寺に伝わり、庫裏の座敷にて接待される名物の「くるみおはぎ」も美味(要予約/4月〜11月)。

塩田平には前山寺の三重塔(国の重要文化財)のほか、安楽寺(別所温泉)に八角三重塔(国宝)、大法寺(青木村)に三重塔(国宝)、常楽寺(別所温泉)に多宝塔(国の重要文化財)、信濃国分寺(上田市国分)に三重塔(国の重要文化財)があり、「古塔めぐり」を楽しむことができます。

前山寺
名称 前山寺/ぜんざんじ
所在地 長野県上田市前山300
関連HP 前山寺公式ホームページ
電車・バスで JR上田駅からタクシーで20分。上田交通別所線塩田町駅から上電観光の「信州の鎌倉シャトルバス」(4月〜11月運転)で8分、前山寺下車
ドライブで 上信越自動車道東部湯の丸ICから約18km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 前山寺 TEL:0268-38-2855/FAX:0268-38-0808
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
安楽寺

安楽寺

長野県上田市、「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平・別所温泉にある曹洞宗の古刹が安楽寺(あんらくじ)。鎌倉時代、臨済宗の僧・樵谷惟仙(しょうこくいせん)中興で、禅寺として信州最古の寺。鎌倉時代中期にはすでに鎌倉の建長寺に相当する大規模な寺となり、

大法寺

大法寺

長野県小県郡青木村にある天台宗の古刹が大法寺。8世紀初頭、律令時代の始まりとともに、朝廷と東国を結ぶ令制東山道(りょうせいとうざんどう)の浦野駅(うらののうまや=現・青木村当郷の浦野駅跡公園)が近くにあったこともあり、その駅寺だったと推測で

中禅寺(上田市)

中禅寺|上田市

長野県上田市前山にある真言宗智山派の古刹、中禅寺(ちゅうぜんじ)。寺伝によれば天長年間(824年〜834年)、空海(弘法大師)が雨乞い祈祷のため、草庵を結んだのが始まりといい、鎌倉時代、塩田北条氏の庇護を受けて繁栄しました。国の重要文化財に

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ