安楽寺

安楽寺

長野県上田市、「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平・別所温泉にある曹洞宗の古刹が安楽寺(あんらくじ)。鎌倉時代、臨済宗の僧・樵谷惟仙(しょうこくいせん)中興で、禅寺として信州最古の寺。鎌倉時代中期にはすでに鎌倉の建長寺に相当する大規模な寺となり、北条氏の保護で栄え、多くの学僧を輩出しています。

日本唯一、現存する近世以前の八角塔

創建は天平年間(729年〜749年)、行基の建立とも、平安時代ともいわれますが定かでありません。
塩田平が「信州の鎌倉」といわれますが、その中心的な存在。

境内から石段を上ったところにある八角三重塔は、国宝。
長野県内にある国宝建築物5件・6棟(安楽寺八角三重塔、松本城天守、仁科神明宮本殿・中門、善光寺本堂、大法寺三重塔)のうちのひとつです。
塔高18.75mの三重塔は、一見すると4層に見えますが、いちばん下は裳階(もこし)と呼ばれる庇(ひさし)の役割を果たす部分。
この様式は中国の宋時代のもので、日本では禅宗様(ぜんしゅうよう)、唐様(からよう)などといわれ、鎌倉時代末期から室町時代によく造られた様式です。
禅寺ですが、内部には大日如来が安置されています。

初重内部に使われている木材の年輪年代調査の結果、正應2年(1289年)に伐採した木材が使われていることが判明しており、正應3年(1290年)頃の建築である可能性が高くなっています。
日本に現存する近世以前の八角塔としては唯一のもの(奈良・西大寺などは現存していません)。

名称 安楽寺/あんらくじ
所在地 長野県上田市別所温泉2361
関連HP 安楽寺公式ホームページ
電車・バスで 上田交通別所線別所温泉駅から徒歩15分
ドライブで 上信越自動車道上田菅平ICから約17km
駐車場 30台/無料
問い合わせ TEL:0268-38-2062/FAX:0268-38-2133
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