長野県下高井郡山ノ内町、志賀高原最大の湖沼が大沼池(2番目が琵琶池)。渋池、四十八池と結ぶ「志賀高原池めぐりコース」(全長10.3km、徒歩3時間30分)のルート途中に位置しています。志賀山(2035.7m)の東、標高1694mに位置する水深26m、周囲5kmの湖沼で、志賀山の溶岩流で堰き止められて誕生したもの。
志賀高原最大の湖沼はコバルトブルー
25万年前〜5万年前、志賀山の火山活動は活発で、湯田中・渋温泉から志賀高原へと上る国道292号沿線のなだらかな傾斜地は、志賀山の溶岩流、火砕流や火山泥流などが堆積したもの。
大沼池、琵琶池、丸池、蓮池、長池、木戸池、三角池などはすべて、この志賀山火山の火山活動で生じた湖沼群なのです。
北東へ流れた安山岩質の溶岩流は、横湯川を堰き止めて大沼池を誕生させ、溶岩流の上は亜高山
帯の針葉樹林(原生林)となったのです。
「志賀高原池めぐりコース」で四十八池から大沼池に下る途中の鬱蒼(うっそう)と茂る針葉樹林帯はまさに溶岩流の上ということに。
大沼池の沼は強酸性ですが、これは赤石山から流れ出る赤石沢に硫酸イオンを含む強酸性の鉱泉が湧き出しているから。
美しいコバルトブルーもそのためです。
そのため、大沼池には生息する魚がいないのです。
酸性の沼ですが、環境省の平成3年度の湖沼調査によれば透明度は13.5mと長野県でトップ、日本国内でも6位にランクインしています。
大沼池の北岸に通じる大沼池林道は一般車両通行禁止のため、ドライブで大沼池が目的の場合には、大沼池入口清水駐車場(バス停大沼池入口)を利用し、徒歩1時間。
大沼池の大蛇伝説
江戸時代末期、佐久郡臼田の神官・井出道貞編纂の地誌『信濃奇勝録』(しなのきしょうろく/全5巻)の「巻之五」に「岩倉池」と題して、志賀高原の岩倉池に住む竜蛇が、領主・高梨氏の姫君に思いを寄せるが実らず、仕返しとして水害をもたらしたという伝承が記されています。
竜蛇は、四十八池の水を使って高梨氏の一族を絶やしてしまおうとしますが、高梨氏に恩義を感じる地獄谷の山神は、その企てに気が付き、地獄の火で落ちてくる水を蒸発させてしまいます。
これに気がついた竜蛇はあわてて水を戻すも、大沼池、琵琶池などにしか水が戻らなかったという話です。
大正11年発行の『下高井郡誌』には似たような大蛇伝説が「黒姫物語」として収録。
「大沼池の黒竜」の題でテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』でも放送されています。
毎年夏に『志賀高原大蛇祭り』も開催。
大沼池 | |
名称 | 大沼池/おおぬまいけ |
所在地 | 長野県下高井郡山ノ内町平穏 |
関連HP | 志賀高原観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 長野電鉄湯田中駅から長電バス奥志賀高原線で41分、大沼池入口(清水口)下車、徒歩1時間 |
ドライブで | 上信越自動車道信州中野ICから約26kmで大沼池入口清水駐車場 |
駐車場 | 大沼池入口清水駐車場(30台/無料) |
問い合わせ | 志賀高原観光協会 TEL:0269-34-2404 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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