孔子廟・中国歴代博物館

孔子廟・中国歴代博物館

長崎県長崎市大浦町にある日本で唯一の本格的な中国様式の孔子廟と、ミュージアムが孔子廟・中国歴代博物館。現存する孔子廟は、明治26年、中国・清朝政府と華僑によって建てられたものを昭和54年、中国政府の援助によって修復したもの。中国歴代博物館には国宝級の芸術品が展示され、必見です。

儒教の創始者である孔子を祀る霊廟

孔子廟は、中国、春秋時代の思想家で、儒教の創始者である孔子を祀る霊廟で、関帝廟が武廟と呼ばれるのに対して文廟とも呼ばれています。
東京の湯島聖堂、多久聖廟(佐賀県多久市)などと並んで有名なのが、長崎の孔子廟ですが、華僑が活躍した長崎らしく、日本で唯一の本格的な中国様式となっています。

長崎の孔子廟は、正保4年(1647年)、本草学者で医師の向井元升(むかいげんしょう=次男は俳人の向井去来)が後興善町に創建した孔子廟と学舎がルーツ。
正徳元年(1711年)伊勢町に移り、長崎聖堂(中島聖堂)に(中島聖堂遺構大学門は寺町に移設現存)。
明治4年、明治維新の学制改革で聖堂関係は向井家の私有となったため、新たな、孔子廟として明治26年に建築されたもの。
明治39年には、貿易などで活躍する華僑の子弟のため、孔子廟内に長崎華僑時中小学校を創立(昭和63年廃校、長崎時中語学院新設)。
昭和9年、聖堂は長崎県に寄贈され、昭和34年に解体(杏檀門を興福寺に移築)。
昭和42年に改修工事が行なわれて、現在の姿になりました。

色鮮やかな華南と華北の建築様式が融合した建物で、中国本廟の伝統美を極めています。
孔子の弟子をモデルにした72体の等身大の七十二賢人像などの石像、建材などはすべて中国から取り寄せたもの。

併設の中国歴史博物館の2階の中国歴代⽂物展⽰館には、北京故宮博物館、中国国内各地の博物館が所蔵する宮廷文化財など、中国の国宝級の芸術品が展示され、必見。
門外不出の銘品などが展示される海外では唯一の施設となっています。

3階・長崎孔子廟史料館には長崎孔子廟が所蔵する数々の銘品や関連の資料を多数展示しています。
2年おきに展示品を取り替えて紹介しています。
1階のショップでは中国直輸入のグッズや中国菓子などを販売、魔除け・厄除けの金鶏(雄鶏)なども人気です。

また、西廡回廊と博物館1階に、論語などを書写できるコーナーが設置され、無料で書写体験が可能(できれば志納を)。

合格祈願でも名高く、窓口に申し出て参拝した人には、合格祈願のお札、祈願品を授与
9月の土曜には『孔子祭(釈奠=せきてん)』も執り行なわれています。
長崎の冬の風物詩『長崎ランタンフェスティバル』では、メイン行事となる「媽祖行列」の市中パレードは、孔子廟が出発・到着式の会場になっています。

毎年ゴールデンウイークには『変面の日』として、お面が瞬時に10数枚変わる人気が高い伝統芸能「変面ショー」を上演(『長崎ランタンフェスティバル』期間中も上演)。

孔子廟・中国歴代博物館
名称 孔子廟・中国歴代博物館/こうしびょう・ちゅうごくれきだいはくぶつかん
所在地 長崎県長崎市大浦町10-36
関連HP 孔子廟・中国歴代博物館公式ホームページ
電車・バスで 路面電車大浦天主堂下電停から徒歩3分
ドライブで 長崎自動車道長崎ICから約4.8km
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 孔子廟・中国歴代博物館 TEL:095-824-4022
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
長崎ランタンフェスティバル

2024長崎ランタンフェスティバル|長崎市

2024年2月9日(金)~2月25日(日)、長崎県長崎市で『2024長崎ランタンフェスティバル』を開催。長崎に住む華僑の人々が旧正月を祝うために『春節祭』の祭りとして始めたものを平成6年に『長崎ランタンフェスティバル』としてバージョンアップ

興福寺

興福寺

長崎県長崎市寺町にある日本最古の黄檗宗(おうばくしゅう)寺院が興福寺(こうふくじ)。風頭山の山麓の寺町通りに建つ唐寺(とうでら)で、明国・江西省の僧・真円が航海の安全を祈願して元和6年(1620年)に寺町に媽姐(まそ)神を祀る堂を建立したの

 

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