長崎県長崎市、193段の石段を上った上西山にあるのが、諏訪・森崎・住吉の三社を祀る鎮西大社 諏訪神社(正式名は諏訪神社で、鎮西大社は通称)。寛永2年(1625年)、青木賢清(あおきかたきよ)が長崎奉行・長谷川権六の支援を受けて造営されて以来、地元の産土神(うぶすながみ)として親しまれています。
有名な『長崎くんち』は諏訪神社の祭礼
もともと、戦国時代に諏訪神社が創建されていましたが、その後、キリスト教徒の支配地となり、一帯の社寺を破却。
寛永2年(1625年)に青木賢清が再興したのが、現在の鎮西大社 諏訪神社のルーツです。
寛永11年(1634年)には、長崎奉行の援助もあって『長崎くんち』が始まり、諏訪神社と住吉神社の神輿渡御も行なわれています。
こうして諏訪神が長崎の鎮守となりますが、その背景には、徳川家光治世のキリシタン弾圧の時代があります。
往時の建物は幕末の安政4年(1857年)の失火で全焼し、現在の社殿は明治2年の再建(拝殿は昭和58年に増改築)。
国際都市長崎らしく、大正3年から英文のおみくじを設置。
これが日本初の「英文みくじ」で翻訳を担当したのは、長崎県立長崎中学校(旧制中学)英語教師の釘本小八郎(くぎもとこはちろう)。
Best Luck (大吉)、Good Luck (吉)、Bad Luck (凶)、Worst (大凶)など10種類の吉凶に分かれています。
また10月7日から3日間続く秋の大祭、『長崎くんち』の舞台として有名です。
「長坂」と呼ばれる大門下の70余段の石段は、『長崎くんち』の奉納踊りを、唯一無料で見学できるところとして、何日も前から場所取りが始まる場所で、坂の町・長崎を象徴する場所となっています。
長い石段の途中には明治12年に長崎警察署の警部一同が建立したという「まよひ子知らせ石」がありますが、『長崎くんち』や初詣の賑わいで、迷子になった時、それを解消するための目印の石として設置されたもの。
拝殿前に置かれた神馬像(しんめぞう)は、平和祈念像と同じ北村西望(きたむらせいぼう)の作。
なんと102歳のときに制作した像です。
狛犬も実にユニークで、稲荷神社参道脇の蛭子社に置かれた「カッパ狛犬」、踊馬場下の祓戸神社の「逆立ち狛犬」、拝殿左後の「高麗犬の井」(狛犬の口から湧き出る水でお金を洗うと倍になるのだとか)、拝殿右後の恵比寿社前の「トゲ抜き狛犬」(心のトゲを抜いてくれる狛犬)、拝殿裏の「願掛け狛犬」(なんと狛犬を廻して心願を祈願する回転狛犬)など、狛犬散歩道を形成しています。
諏訪神社の末社の東照宮(徳川家康=東照大権現と歴代徳川将軍を祀る社)は、安禅寺境内(現在の長崎公園・丸馬場一帯にあった、長崎一の大寺院)にありましたが、明治初年の廃仏毀釈の荒波で、安禅寺が廃寺に。
東照宮は、明治22年5月現在地に遷座し、現在の社殿は明治30年5月の再建(明治43年、諏訪神社の末社に)。
鎮西大社 諏訪神社 | |
名称 | 鎮西大社 諏訪神社/ちんぜいたいしゃ すわじんじゃ |
所在地 | 長崎県長崎市上西山町18-15 |
関連HP | 鎮西大社 諏訪神社公式ホームページ |
電車・バスで | 路面電車諏訪神社前電停から徒歩5分 |
ドライブで | 長崎自動車道長崎ICから約6km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 鎮西大社 諏訪神社 TEL:095-824-0445/FAX:095-821-9377 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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