長崎県島原市本光寺町、島原城主・深溝松平家の菩提寺、本光寺が所蔵する膨大な量の旧島原藩主深溝松平家(ふこうずまつだいらけ)ゆかりの歴史資料を収蔵展示するのが常盤歴史資料館。深溝松平家にまつわる民間コレクションとしては最大級のもので、とくに古地図が充実。
島原城主・深溝松平家に伝わる古地図などを展示
福知山(現・京都府)から島原に移封され、明治維新まで島原を統治した島原藩主・深溝松平家ゆかりの絵図、書簡、古文書、仏教美術などが展示されています。
常盤資料館と呼ばれるのは、明治時代に本光寺に移設された14代藩主・松平忠精(まつだいらただきよ)の夫人が暮らした常盤御殿を活用しているから。
本光寺伝来の品だけでなく、廃藩置県以降、全国各地に散逸していた深溝松平家の史料を34世・黙翁仙定大和尚と35・世文翁片山秀賢大和尚の住職2代にわたって収集した史料など実に貴重。
織田信長の書状などの古文書だけでなく、慶長5年(1600年)の関ヶ原の合戦の前哨戦の様子を記録した『伏見城攻之図』、李氏朝鮮で製作された15世紀初頭の世界地図『混一疆理歴代国都之図』(こんいつきょうりれきだいこくとのず/276.8cm×219cm)、島原城の城下図、島原藩屋敷図、領内図などの絵図のコレクションも充実。
さらに松平家、徳川家、今川家などに関した資料も多いため、深溝松平家の故郷・愛知県の研究者が訪れることも多いのだとか。
深溝松平家の菩提寺・本光寺は島原、三河の2ヶ所ある!
瑞雲山本光寺は、深溝松平家の菩提寺のため転封とともに、忍城下(埼玉県行田市)、三河吉田城下(愛知県豊橋市)、三河刈谷城下(愛知県刈谷市)、福知山城下(京都府福知山市)、そして島原などと転々としていますが、そのルーツは、出身地である現・愛知県額田郡幸田町深溝の瑞雲山本光寺(国の史跡・島原藩主深溝松平家墓所)。
大永3年(1523年)、深溝松平家の初代当主・松平忠定によって開基され、転封により深溝松平家が島原藩に移ったのちも、歴代藩主の遺体は故郷三河の本光寺に運ばれて埋葬されています。
島原藩では、島原の本光寺を島原本光寺、故郷・三河の本光寺を三州本光寺(さんしゅうほんこうじ/三州=三河・愛知県東部のこと)と呼び分けています。
島原の本光寺では藩主の父祖の菩提を弔う仏事が行なわれ、三州本光寺では墓守・横落家が菩提を弔っていました。
藩主が島原で没した際には、まず島原本光寺で葬儀を行ない、遺骸を三河へと運んだのです。
島原本光寺の奥には歴代藩主の妻子と、7代藩主・松平忠雄(まつだいらただお)の墓があります(松平忠雄の墓は島原、三河の両方にあります)。
常盤歴史資料館(本光寺) | |
名称 | 常盤歴史資料館(本光寺)/ときわれきししりょうかん(ほんこうじ) |
所在地 | 長崎県島原市本光寺町3380本光寺内 |
関連HP | 島原市公式ホームページ |
電車・バスで | 島原鉄道島原駅から島鉄バス宇土出口行き、辰元口雪で5分、農高前下車、徒歩2分 |
ドライブで | 長崎自動車道諫早ICから約40km |
駐車場 | 本光寺駐車場(15台/無料) |
問い合わせ | 常盤歴史資料館(本光寺)TEL:0957-62-3382 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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