長崎県雲仙市、雲仙温泉を代表する観光名所が雲仙地獄。雲仙地獄の中で活発な火山活動を続けるのは東側で、噴気を上げる場所は東へと移動しています。キルスト教が禁教だった江戸時代、長崎に住むキリシタン・清七が処刑された頃に噴出が始まった地獄がこの清七地獄です。
キリシタン・清七が処刑した頃に噴出した地獄
清七地獄は国道57号沿い、歴史ある雲仙九州ホテルの横(北側)にあり、今も噴気を上げています。
国道を隔てた西側に旧八幡地獄(月面地獄)がありますが、現在はススキやアカマツが侵入する土地になっています(50年ほど前までは地熱地帯でした)。
つまり、国道57号の西側から東へと地熱地帯、噴気活動も移動しており、ちょうど、キリシタン・清七が処刑された際に、新たに噴気が始まった場所だったので、キリスト教(当時は邪教とされていました)を信心すると、地獄に落ちるぞという説法に使っていたのだと推測できます。
同様に、温泉たまごの工房があるお糸地獄は、不義密通の罪でお糸が処刑された際に噴気が始まったので、「不義密通をすると地獄に落ちる」と説かれたのです。
仏教では、人が死ぬと、積み重ねた業によって、六道界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道)のいずれかに生まれ変わるといわれ、悪行を重ねると地獄道(罪を償わせるための世界)に落ちると恐れられたのです。
立山地獄(富山県立山町・北アルプス室堂)など、各地の地獄地帯(地獄を連想させる場所)はこうした仏教的な教義に巧みに取り入れられ、現世での「地獄疑似体験」の場として機能していました。
雲仙地獄(雲仙温泉)はユネスコ世界ジオパークに登録の島原半島ジオパークのジオサイトにもなっています。
雲仙地獄・清七地獄 | |
名称 | 雲仙地獄・清七地獄/うんぜんじごく・せしちじごく |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
関連HP | 雲仙温泉観光協会オフィシャルサイト |
電車・バスで | JR諫早駅から県営・島鉄雲仙行きバスで1時間20分、雲仙ビジターセンター前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 長崎自動車道諫早ICから約34km |
駐車場 | 第一〜第五駐車場(186台、※第三駐車場は閉鎖中)、雲仙温泉神社駐車場(21台)、満明寺駐車場(13台)/有料 |
問い合わせ | 雲仙温泉観光協会 TEL:0957-73-3434 |
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