長崎県壱岐市勝本町、壱岐島中央部の高台にある壱岐古墳群として国の史跡に指定される6基の古墳のひとつで、6世紀後半~7世紀前半頃に築造された円墳が笹塚古墳。直径66m、高さ13m、石室全長15mという長崎県内最大級の円墳で、森の中に位置し、石室まで入ることができます。
出土品のうち162点が国の重要文化財
直径66mの基壇(きだん)の上に40mの墳丘を築いた巨大な円墳ですが、ヒノキ林に覆われているので、残念ながら全体を把握することができません。
石室は、玄室・中室・前室の3室と羨道で構成される全長15.2mの横穴式石室。
世界でも珍しい亀の形をした飾り金具(金銅製亀形飾金具)や、豪華な金銅製品の馬具類多数、朝鮮半島系の緑釉陶器(りょくゆうとうき)などが出土し、出土品のうち162点が細工技術の高さを誇り、首長墓の副葬品として学術的な価値が極めて高いところから国の重要文化財に指定されています。
古墳の大きさからだけでなく副葬品からも、被葬者の権力の強大さが確認でき、朝鮮半島と日本を結ぶ海上の要衝である壱岐を治めていた首長の墓だと推測できます。
壱岐古墳群(国の史跡)を構成するのは、笹塚古墳のほか、対馬塚古墳、掛木古墳、兵瀬古墳、双六古墳、鬼の窟古墳の合計6基で、壱岐古墳群の出土品は、壱岐市立一支国博物館が収蔵展示されています。
壱岐島には長崎県の半数に及ぶ古墳265基が残存し、ヤマト王権、朝鮮半島・新羅の双方から壱岐島が外交上の拠点として重要視され、古代の豪族が新羅との交易、防衛に従事していたと推測されます。
笹塚古墳 | |
名称 | 笹塚古墳/ささづかこふん |
所在地 | 長崎県壱岐市勝本町百合畑936地先 |
関連HP | 壱岐市観光連盟公式ホームページ |
電車・バスで | 郷ノ浦港からタクシーで15分 |
ドライブで | 郷ノ浦港から約8.4km |
問い合わせ | 壱岐市社会教育課文化財班 TEL:0920-45-2728 |
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