東北の国宝建築物 全6件完全ガイド

東北の国宝建築物

東北にある国宝建築物は、6ヶ所。最北の国宝建築物は、中世の藤原文化を今に伝える中尊寺金色堂(岩手県)です。福島県の白水阿弥陀堂ともに、京で隆盛した末法思想・浄土信仰が東北まで到達していたことを表しています。宮城県の国宝3件はすべて伊達文化。山形県の羽黒山五重塔は、東方最古の塔で、出羽三山の信仰を伝えています。

岩手県

中尊寺金色堂 【奥州藤原文化】

所在地:岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
建立年:天治元年(1124年)/平安時代
建立者:藤原清衡
現在の宗派:天台宗(東北大本山)
阿弥陀堂の本尊:阿弥陀如来坐像
備考:世界文化遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産、日本最北の国宝建築物

中尊寺・金色堂

中尊寺・金色堂

岩手県平泉町の中尊寺にある平安時代後期建立の仏堂が金色堂。棟木墨書銘から天治元年(1124年)8月20日、金色堂が上棟したことが判明しています。奥州藤原氏初代・藤原清衡(ふじわらのきよひら)69歳の時のこと。平等院鳳凰堂と並ぶ、平安時代の仏

宮城県

瑞巌寺本堂 【伊達文化】

所在地:宮城県宮城郡松島町松島町内91
建立年:慶長14年(1609)/江戸時代
建立者:伊達政宗
現在の宗派:臨済宗妙心寺派
本尊:聖観音菩薩
備考:桃山様式の方丈で、仙台藩お抱え絵師である狩野左京、長谷川等胤らの襖絵障壁画が見事

瑞巌寺・本堂

瑞巌寺・本堂

『大漁唄い込み』に「松島のサーヨー 瑞巌寺ほどの 寺もないトエー」と唄われる宮城県松島町の瑞巌寺(ずいがんじ)。現存する本堂は、伊達政宗(だてまさむね)が寺を再興した際の方丈で、慶長14年(1609年)3月に上棟、東北では数少ない国宝になっ

瑞巌寺庫裏  【伊達文化】

所在地:宮城県宮城郡松島町松島町内91
建立年:江戸時代初期
建立者:伊達政宗
現在の宗派:臨済宗妙心寺派
備考:禅宗寺院の台所で、「日本三大庫裏」(瑞巌寺庫裏・妙心寺庫裏・妙法院庫裏)のひとつ

瑞巌寺・庫裏

瑞巌寺・庫裏

日本三景・松島にある名刹・瑞巌寺。その正式名は松島青龍山瑞巌円福禅寺。臨済宗妙心寺派の禅寺です。現存する庫裏(くり=瑞巌寺での表記は庫裡)は、江戸時代初期、伊達政宗の再興時に建てられたもので、国宝。庫裡は、禅宗寺院の台所で、大屋根の上に入母

大崎八幡宮 本殿・石の間・拝殿  【伊達文化】

所在地:宮城県仙台市青葉区八幡4-6-1
建立年:慶長12年(1607年)/江戸時代
建立者:伊達政宗
祭神:応神天皇、仲哀天皇、神功皇后
備考:日光東照宮などと同じ「権現造」形式です(日光東照宮よりも建立は早く、大崎八幡宮の「権現造」が日光東照宮に反映)

大崎八幡宮

大崎八幡宮

宮城県仙台市青葉区にある仙台62万石の総鎮守社が大崎八幡宮。社伝では8世紀、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が武運長久を祈り、遠征先の鎮守府(胆沢城)に宇佐神宮を勧請し鎮守府八幡宮を創建したのが始まりという古社です。現存する本殿、石の

山形県

羽黒山五重塔  【出羽三山信仰/修験道+山岳信仰】

所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向7
塔高:29.2m
建築年:文中元年(1372年)/南北朝時代
備考:明治の神仏分離以前は、近世までは出羽三所大権現(神仏習合)の一つ、羽黒権現の塔で、塔内に聖観音、軍荼利明王、妙見菩薩を安置していました

羽黒山五重塔

羽黒山五重塔

羽黒山(出羽神社)の五重塔は、平安時代に平将門(たいらのまさかど)が創建と伝えられ、文中元年(1372年)、庄内領主で羽黒山別当の大宝寺政氏(だいほうじまさうじ=武藤政氏)が大修復(再建)を行なったという記録が残されています。高さ29.0m

福島県

白水阿弥陀堂 【奥州藤原文化関連】

所在地:福島県いわき市内郷白水町広畑219
建立年:永暦元年(1160年)/平安時代
建立者:岩城則道(いわきのりみち)の正室・徳姫(藤原清衡の娘)
現在の宗派:真言宗智山派
阿弥陀堂の本尊:阿弥陀如来坐像
備考:寺の正式名は願成寺、浄土式庭園も現存

白水阿弥陀堂

いわき市にある白水阿弥陀堂は福島県で唯一の国宝。1160(永暦元)年、岩城則道(いわきのりみち)の菩提を弔うため夫人である徳姫(藤原清衡の娘)が創建した願成寺の阿弥陀堂(正式名は願成寺阿弥陀堂)が創建時のままに現存。三方が池に囲まれるという

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