かつて良質な「神代和紙」の産地だった岡山県新見市(にいみし)の神郷地区。夢すき公園は、往時に活躍した水車を再現した「日本一の親子孫水車」と紙漉き(かみすき)体験施設「紙の館」からなる公園。親子孫水車の直径はそれぞれ13.6m、6m、4.5mの3台。まるで親子と孫が並ぶような姿がその名の由来です。
「親子孫水車」としては日本一
楮(こうぞ)を主原料に、三椏(みつまた)、トロロアオイの根を使って伝統的な紙漉きによって生まれる「神代和紙」。
「紙の館」では、紙漉き体験も可能で、オリジナルのうちわや葉書などを作ることができます。
「日本一の親子孫水車」は、平成3年に、当時の神郷町の町おこしで「日本一の親子水車」として誕生。
ところが翌年、熊本県湯前町(ゆのまえまち)に親子水車「みどりのコットンくん」(親水車14.1mと子水車5m)が誕生し、日本一の座を明け渡したことで、平成11年にさらに孫水車を追加することにより「親子孫水車」として、半ば強引に日本一の座に返り咲いたもの。
ちなみに備中北部では昭和の中頃まで動力用水車は現役で、小川の水力を利用して、米の搗精(とうせい)や製粉(穀物の皮取り)などに使われていました。
水車を使わなければ、精米は、足踏みによる米搗きが必要となり、水車の利用で重労働から開放されたのです。
近代では、この動力が植物繊維をほぐす際など、製紙にも活用されていました。
米が割れないように丁寧に、米の品温を上げないで精米できるので、水車は酒造米の精米などでも重宝されたのです。
ちなみに、目下、日本一の大水車(単独)は、埼玉県寄居町にある「埼玉県立川の博物館大水車(令和元年7月改築の2代目)で24.2mです。
名称 | 夢すき公園/ゆめすきこうえん |
所在地 | 岡山県新見市神郷下神代1777-1 |
関連HP | 新見市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR備中神代駅から徒歩25分。または、市営バスで5分 |
ドライブで | 中国自動車道新見ICから約9km |
駐車場 | 17台/無料 |
問い合わせ | 新見市神郷紙の館・水車 TEL:0867-92-6577 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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