沖縄県那覇市、石畳の古道「金城町の石畳道」の途中にある湧水が金城大樋川(かなぐすくうひーじゃー)。樋川(ヒージャー)とは、沖縄の伝統的な共同井戸のうち、離れた水源から湧き出した水を水路で井戸に導き、樋より水が流れ出る形式のもの。石畳道はかつて首里城へと通じる主要道路であった真珠道(まだまみち)の一部です。
琉球王国初の紙漉きにも使われた水
琉球王朝時代の城下町、金城町。
金城町に暮らす人々の村ガー(ムラガー=共同井戸)で、生活用水は、毎日ここから水桶を使って自宅の水瓶(みずがめ)へと運び入れていました。
井戸前広場(カーヌナー)の石畳の表面がすり減り、角が丸くなっているのは、毎日水を汲む人々が行き来して摩耗したから。
金城大樋川は、生活用水だけでなく、行き交う人馬もこの井戸水でのどを潤しました。
国王が識名園に向かう際にも「金城町の石畳道」を通ったといい、泉の前に石造りの広場が設けられていることからもこの場所の大切さが伝わってきます。
1713年に上梓された琉球王国の王府が編纂した地誌『琉球国由来記』によると、1686年、王府の命を受けた大見武馮武(おおみたけひょうぶ)が、薩摩藩(現・鹿児島県)で杉原紙(すいばらがみ)と百田紙(ももたがみ)の紙漉きを習得し、帰国後、金城村に居を構え、金城大樋川の水で紙漉きをしたと記されています。
琉球王国の紙漉きの事始めで、その後、琉球では、山川樋川(やまがわひーじゃー)、宝口樋川(たからぐちひーじゃー)などの水を使い、紙漉きが行なわれました。
金城大樋川 | |
名称 | 金城大樋川/かなぐすくうひーじゃー |
所在地 | 沖縄県那覇市首里金城町2-8付近 |
関連HP | 那覇市公式ホームページ |
電車・バスで | ゆいレール首里駅から徒歩10分 |
ドライブで | 沖縄自動車道那覇ICから約2.2kmで首里杜館駐車場 |
駐車場 | 首里杜館地下駐車場(有料)を利用 |
問い合わせ | 那覇市文化財課 TEL:098-917-3501 |
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