畳石

畳石

沖縄県久米島町、久米島東部の仲里地区の東に浮かぶ奥武島(おうじま)。久米島とは海中道路で結ばれていますが、その奥武島の南西部にある奇岩群が畳石です。その名の通り、畳を敷き詰めたような雄大な景観で、まるで 巨大な亀の甲羅のよう。五角形や六角形の岩が規則正しく並ぶ様は別名「亀甲岩」とも呼ばれています。

沖縄では珍しい安山岩の柱状節理

畳石

直径1m~1.5mほどの岩の数はなんと約1000個、約3000平方メートルにも及ぶとか。
これは溶岩(安山岩)が冷え固まる時にできた割れ目で、柱状節理のひとつで、日本の地質百選にも選定されています。

干潮時にのみ露出するため、事前に潮見表で確認を。
また海岸の裏手は園地として整備され、海洋深層水をバーデプールに入れるスパ施設「バーデハウス久米島」、奥武島キャンプ場も整備されています。
島にある「中本鮮魚てんぷら店」は行列のできる天ぷら店として地元では有名で、塩漬けもずく、もずくの天ぷらも販売。

畳石

沖縄では久米島周辺だけが火山岩で形成される島

サンゴ礁に由来する琉球石灰岩のイメージの強い沖縄県。
活火山といえば、無人島である沖縄県最北端の硫黄鳥島(いおうとりしま)と西表島の北北東約20kmの海底に位置する西表海底火山があり、火山活動の痕跡としても久米島と粟国島(あわぐにじま)に第三紀の火山岩が分布するのみです。
沖縄本島、宮古島、八重山、西表島など主要な島々には火山はもちろん、その痕跡すら残されていません。
そんななかで、久米島だけは異色の存在で、全島が火山岩や火砕流、泥流堆積物で構成され、その周囲にサンゴ礁が発達しています。

久米島、奥武島の火山岩は、第三紀中新世(2000万年前)と第三紀鮮新世(数百万年前)に形成されたもの。
つまり、琉球列島形成以前のはるか昔に、アジア大陸の縁辺部での火山活動によるもの。
奥武島の畳石は、第三紀鮮新世(数百万年前)の火山活動で誕生したものです。

形が不思議だから珍しいというよりも、アジア大陸縁辺部での火山活動で誕生したというドラマチックな歴史を感じさせる場所になっているのです。

畳石
名称 畳石/たたみいし
所在地 沖縄県島尻郡久米島町奥武
関連HP 久米島観光協会公式ホームページ
電車・バスで 久米島空港からタクシーで25分
ドライブで 久米島空港から約13km
駐車場 バーデハウス久米島駐車場を利用
問い合わせ 久米島町商工観光課 TEL:098-851-9162
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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