四天王寺

四天王寺

推古天皇元年(593年)創建と伝わる大阪市天王寺区にある古刹が四天王寺(してんのうじ)。『日本書紀』によれば、仏教を支持する蘇我馬子(そがのうまこ)と日本古来の宗教を支持する物部守屋(もののべのもりや)との戦いで、仏教を支援した聖徳太子が形勢を打開するため、祈願寺として四天王像を自刻して創建という日本最古の官寺です。

「四天王寺式伽藍配置」に注目を!

南大門、中門、五重塔、金堂、講堂が南北に一直線に並び、さらに中門から北側は回廊が囲む日本で最古の伽藍配置で、「四天王寺式伽藍配置」と呼ばれています。

昭和20年の大阪空襲により境内北側の一部の堂宇を残して焼失し、現在ある建物は戦後の再建となってはいますが、伽藍配置は往時のまま。

重要文化財の六時堂、五智光院、本坊西門、石舞台などは大阪空襲による焼失を免れ、江戸時代に再建されたものが現存しています。
境内には国宝などが収められた宝物館もあるのでお見逃しなく。

日本最古の仏教寺院、四天王寺

蘇我馬子の法興寺(飛鳥寺)と並び、日本最古の仏教寺院である四天王寺。
法隆寺(斑鳩寺)、広隆寺(蜂丘寺)、法起寺(池後寺)、中宮寺、橘寺(聖徳太子生誕地)、葛木寺とともに聖徳太子建立七大寺のひとつ。

聖徳太子が四天王寺の創建にあたっては、庶民の救済もあって「四箇院の制」(しかいんのせい)をとったことが『四天王寺縁起』に記されています。
四天王寺の北側には修行道場である敬田院(きょうでんいん)、病者に薬を施す施薬院(せやくいん)、病気の者を収容する療病院(りょうびょういん)、年老いた者を収容する悲田院(ひでんいん)の四箇院を配したと伝わり、境内北西に建つ愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)は施薬院だったと伝えられています。

四天王寺の創建は、難波津(古代の大阪港)近くに白雉3年(652年)に完成した難波宮(なにわのみや=現・大阪城公園の南にあった古代宮殿)よりも古いことが判明しています。

古代の国際貿易港だった難波津は中央区高麗橋付近(現・大阪城公園の西側)と推測され、ともに四天王寺より北側に位置しています。
四天王寺がどうして難波津に近い場所に置かれなかったかといえば、すでに難波津の東側には集落が存在し(難波宮下層遺跡)、広大な寺を築くいい場所が見つからなかったからだと推測できます。

布袋堂には大阪七福神の布袋尊(布袋堂本尊・乳布袋)を祀っています。
その風格から「乳のおんばさん」と呼ばれています。
この布袋尊に立願すれば、乳が出ない人や授乳が不十分の人には乳を授け、また出過ぎて困る人には乳上げを授けるといわれています。

大阪の名刹、名社を巡る「なにわ七幸めぐり」のひとつ。
1月14日に行なわれる『どやどや』は、「日本三大奇祭」のひとつに数えられています。

四天王寺
名称四天王寺/してんのうじ
所在地大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
関連HP四天王寺公式ホームページ
電車・バスでJR大阪環状線天王寺駅・近鉄あべの橋駅から徒歩15分、地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩5分
ドライブで阪神高速1号環状線夕陽丘ランプから約1.5km
駐車場タイムズ駐車場(35台/有料)
問い合わせ四天王寺 TEL:06-6771-0066/FAX:06-6773-4921
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三大奇祭

日本三大奇祭とは!?

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