佛山寺

佛山寺

大分県由布市湯布院町、金鱗湖(きんりんこ)の南側に建つ臨済宗の寺が、佛山寺(ぶっさんじ)。康保年間(964年~968年)、性空上人(しょうくうしょうにん)によって開かれたと伝えられる古刹。古くから由布岳への信仰者を集めた山岳信仰の拠点で、当初は天台宗で前由布岳の中腹に堂宇が建っていました。

由布岳の山岳信仰を今に伝える古刹

佛山寺

康保年間(964年〜968年)、性空上人が由布岳に六観音の霊場を開き、佛山寺を創建、宇奈岐日女神社を習合して、六柱の神々を祀ったのが始まりで、由布岳信仰(神仏習合の山岳信仰)と中心として栄えました。

性空が由布岳の山腹で読経すると鳴動する岩があり、その岩で観音像を造り祀ったのが始まりという伝説から、火山性の地震があったとも推測できますが、由布岳には記録に残る火山活動はありません(由布岳では、2200年前に規模の大きな噴火活動が発生しています)。

豊後富士と呼ばれる秀麗な山、『万葉集』にも歌われる知名度、山頂部にある数個の溶岩ドームの奇観を背景に、佛山寺も修験道なども習合した天台密教の寺として多くの伽藍を構えたと推測できます。

そんな繁栄の最中(さなか)、文禄5年(1596年)、別府湾口を震源とする慶長豊後地震で由布岳で大規模な山崩れが発生、佛山寺の堂宇も倒壊したため、廃絶状態となり、その後、山麓の津江地区に臨済宗の寺として再興されています。

現在の佛山寺(臨済宗)も、本尊は性空が鳴動する岩に刻み、由布岳に祀られていたという石造観世音菩薩。
33年に一度ご開帳される秘仏です。

杉と竹の林に囲まれた境内には元禄年間(1688年〜1704年)の築という茅葺き(かやぶき)の鐘楼門と本堂、庫裡などがあり、凛とした禅寺の雰囲気が漂っています。

佛山寺参道に続く美しい石垣の道は、地元観光協会おすすめの散策スポットになっています。

境内からから由布岳の頂を望見しますが、毎年7月18日には、由布岳の山霊を鎮める『山霊祭』が行なわれ、往時を偲ぶことができます。

観光辻馬車も停車するほか、毎週土、日曜の朝7:00〜座禅会も実施(電話で予約を/志納)。

宇奈岐日女神社(うなぎひめじんじゃ)は、明治初年の神仏分離まで六所宮と呼ばれて佛山寺と習合していた社で、実は金鱗湖に建つ石造鳥居も佛山寺のもの。

佛山寺
山号の「龍峩山」の扁額が山門(鐘楼門)に
佛山寺
名称 佛山寺/ぶっさんじ
所在地 大分県由布市湯布院町川上1879
関連HP 由布市公式ホームページ
電車・バスで JR由布院駅から徒歩20分、またはタクシーで5分
ドライブで 大分自動車道湯布院ICから約5km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 佛山寺 TEL:0977-84-2714
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
宇奈岐日女神社

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