大分県豊後高田市の香々地支所からから竹田川の上流へと走ると、夷谷(えびすだに)。ここが夷耶馬(えびすやば)と呼ばれる景勝地で、その迫力は本家である耶馬渓(やばけい=大分県中津市)を凌ぐという人もいるほどの奇観。清流を挟んだ両岸に岩峰が連なり、山水画を見るような光景が展開します。
谷の間にそびえるのが中山仙境
西夷と東夷の2つの谷で構成され、その2つの谷の間にそびえるのが中山仙境(なかやませんきょう)と呼ばれる奇岩群峰です(山頂が高城)。
一帯は瀬戸内海国立公園に指定され、「中山仙境(夷谷)」として国の名勝にもなっています(国東半島にある国の名勝はこのほか「天念寺耶馬及び無動寺耶馬」、国東市の「文殊耶馬」があります)。
とくに一路一景公園からの眺望は見事で、眼前に大仏岩、高城、馬の背、白岩などの「中山仙境」の峰々が立ちはだかります。
かつては大魔所(悪魔や魔物の棲む場所)とも呼ばれた仙境の地ですが、平安時代に六郷満山の僧たちは、この仙境を見出し、谷全体を「夷石屋」という寺院へと発展させました。
その中心が、霊仙寺、六所神社、実相院です(神仏習合時代には六所神社は、霊仙寺の奥の院で、実相院は子院として一体化していました)。
西夷の板井派仏師によって、すぐれた石仏が刻まれ、境内にも巨大な地蔵菩薩像が残されています。
さらに江戸時代後期の文政2年(1819年)には、歌人で国学者の高井八穂(たかいやつほ)らが夷谷を訪れて和歌を詠み「夷谷八景」(「楽庭櫻花」、「藤谷藤花」、「夷川螢火」、「高城秋月」、「大平峯雪」、「車橋夜雨」、「霊仙晩鐘」、「六所宮燈」)を定めています。
「中山仙境(夷谷)」、「六郷山夷岩屋の寺社境内」は、日本遺産『鬼が仏になった里「くにさき」』の構成資産にもなっています。
夷耶馬 | |
名称 | 夷耶馬/えびすやば |
所在地 | 大分県豊後高田市夷 |
関連HP | 豊後高田市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 東九州自動車道宇佐ICから約34km |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 豊後高田市観光協会 TEL:0978-23-1860/FAX:0978-23-1870 |
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