2024年9月1日(日)~9月3日(火)、青森県弘前市の岩木山で『お山参詣』を開催。「サイギ、サイギ」の掛け声を響かせ、毎年旧暦8月1日、岩木山に集団登拝して御来光を拝む行事。五穀豊穣、家内安全を祈願する津軽最大の秋まつりで、御神体である岩木山と一体となり自己の浄化を目指します。
神仏習合時代の岩木山登拝を今に伝える
現在のようなスタイルの『お山参詣』となったのは江戸時代中期のこと。
藩政時代には8月1日(旧暦)だけは一般の人々は山に入ることができず、藩主のみが登拝を許されていました。
神仏習合時代(明治初年の神仏分離以前)、岩木三所大権現(中央峰・岩木山=阿弥陀如来、東峰・巌鬼山=十一面観音、西峰・鳥海山=薬師如来)の別当・百沢寺(百澤寺/ひゃくたくじ=岩木山神社の前身)は津軽領惣鎮守として繁栄し、『お山参詣』は、その配下の10坊と2つの社家が中心となり、御蔵庄屋から村中へ諸々のきまりが惣触(そうぶれ)されて行なわれたのです。
国の重要無形民俗文化財に指定される『お山参詣』は、向山(むかいやま)、宵山(よいやま)、朔日山(ついたちやま=旧暦8月1日)と3日間にわたって行なわれます。
向山=「村々から麓の神社に出発する日」で、岩木山神社に参拝。
宵山=津軽一円から「サイギ、サイギ」の掛け声と登山囃子(とざんばやし)を響かせ岩木山神社に参拝する日で、御幣や色あざやかな幟(のぼり)を掲げ練り歩きます。
朔日山=未明から岩木山頂の奥宮を目指し、山頂でご来光を遥拝。
「サイギ、サイギ」は、懺悔懺悔(ざんげざんげ)で、過去の罪過を神仏の前で悔い改めること。
ご来光遥拝に伴い岩木スカイラインは、朔日山当日は終日営業となります。
ちなみに、現在は岩木山神社が信仰の中心ですが、明治の廃仏毀釈、神仏分離までは神仏習合の百沢寺(ひゃくたくじ)でした。
現在の岩木山神社拝殿は慶長8年(1603年)、初代津軽藩主・津軽為信が、百沢寺の大堂(本堂)として建立したもの。
その完成は寛永17年(1640年)です。
お山参詣の唱文
- 懺悔懺悔(さいぎさいぎ)=過去の罪過を悔い改め神仏に告げるもの
- 六根懺悔(どっこいさいぎ)=人間の感ずる六つの根元。目・耳・鼻・舌・身・意の六根の迷いを捨てて汚れのない身となること。六根罪障(ろっこんざいしょう)とも。木曽御岳の御嶽講(おんたけこう)は、六根清浄 (ろっこんしょうじょう)と唱えます
- 御山八代(おやまさはつだい)=観音菩薩・弥勒菩薩・文殊菩薩・地蔵観音・普賢菩薩・不動明王・虚空蔵菩薩・金剛夜叉明王
- 金剛道者(こうごうどうさ)=金剛石のように揺るぎない信仰を持つこと
- 一々礼拝(いーつになのはい)=八大柱の神仏を一柱ごとに礼拝
- 南無帰命頂礼(なむきみょうちょうらい)=仏に帰依し神仏の戒めに従うこと
岩木山『お山参詣』|弘前市|2024 | |
開催日時 | 2024年9月1日(日)~9月3日(火) |
所在地 | 青森県弘前市百沢東岩木山 |
場所 | 岩木山神社・岩木山 |
関連HP | 岩木山観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR弘前駅からバスで40分、岩木山神社前下車 |
ドライブで | 東北自動車道大鰐弘前ICから約25kmで岩木山神社駐車場 |
駐車場 | 岩木山神社駐車場(70台/無料)・岩木山八合目駐車場(200台/無料) |
問い合わせ | 岩木山観光協会 TEL:0172-83-3000/FAX:0172-83-3001 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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