日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯

日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯

明治21年の操業開始以来、約120年にわたり「レンガのまち深谷」(埼玉県深谷市)の象徴的存在だった日本煉瓦製造株式会社。当時日本が近代化するにあたり、渋沢栄一らによって設立されたレンガ会社で、レンガを焼成したホフマン輪窯6号窯は、国の重要文化財に指定。令和6年まで保存修理工事を実施。

東京駅のレンガもここで焼成

日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯

明治日本の近代化にとって、官庁建設や鉄道敷設など、土木建築の分野におけるレンガ調達は不可欠でしたが、それには工場での大量生産が前提。

そこで財界の大物・渋沢栄一が、故郷・血洗島村(ちあらいじまむら=現・深谷市血洗島)にも近く良質な粘土が得られ、利根川水運も利用可能な埼玉県榛沢郡上敷免村(現・深谷市上敷免)を工場地に選定。

明治28年には日本鉄道深谷駅から工場までの4.2kmに専用鉄道を敷設し(廃線跡が遊歩道「あかね通り」になっています)、レンガの焼成のための大規模な窯がいくつもつくられました。
なかでも明治40年完成のホフマン輪窯(わがま)6号窯は、ドイツ人、フリードリッヒ・ホフマンが特許を得たもので、長さ56.5m、幅20m、高さ3.3mを誇る大規模なレンガ焼成窯。
内部は18の焼成室に分かれています。

月産65万個の製造能力を誇り、昭和43年まで稼働していました。
明治時代に、このホフマン輪窯で焼かれたレンガが使われている現存施設は、鉄道関連では、東京駅丸の内本庁舎、中央本線万世橋高架橋、信越線碓氷峠トンネル群・アーチ橋など。
官公庁で、司法省(現・法務省旧本館)、日本銀行旧館、赤坂離宮(現・赤坂迎賓館)など。

ホフマン輪窯は、旧下野煉化製造会社煉瓦窯(野木町煉瓦窯/栃木県下都賀郡野木町)、神崎煉瓦ホフマン式輪窯(京都府舞鶴市)、旧中川煉瓦製造所ホフマン窯(滋賀県近江八幡市)にそれぞれ1基が現存するのみで、全国では4基しか残されていない貴重なもの。

現在敷地内にある国の重要文化財に指定される旧事務所(日本煉瓦史料館)、旧変電所などが深谷市に移管され、旧事務所(日本煉瓦史料館)が公開されているほか、専用線にあった備前渠鉄橋(国の重要文化財)も保存されています。
経済産業省の近代化産業遺産「建造物の近代化に貢献した赤煉瓦生産などの歩みを物語る近代化産業遺産群」にも認定。

日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯
名称 日本煉瓦製造会社ホフマン輪窯6号窯/にほんれんがせいぞうがいしゃほふまんりんようろくごうがま
所在地 埼玉県深谷市上敷免28
関連HP 深谷市公式ホームページ
ドライブで 関越自動車道花園ICから約14.3km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 深谷市文化振興課 TEL:048-577-4501
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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