富山平野を流れる庄川に秋になると鮭が遡上します。昭和7年に庄川養魚場が設置され、鮭・鱒の人口孵化(ふか)放流事業を開始。毎年、捕獲したサケを射水市広上(旧大門町)の増殖場で採卵、孵化させ翌年2月中旬頃に放流しています。こうして放流された稚魚は、北の海で成長し、4年後に庄川に戻ってくるのです。
10月中旬~12月中旬に梁に行けば鮭の遡上と捕獲を見学できる
3月頃、大門大橋の下流100mほどの地点で稚魚1000万匹放流し、戻って来るのは4年後に3万匹ほどとか。
(2015年秋に3万3813匹を捕獲し、約976万9000個の卵を育てて2016年3月に放流)。
鮭は日本海を北上してアラスカ湾などを回遊した後、母なる川、庄川に戻ってくるのです。
現在、庄川で鮭漁を行なっているのは、庄川沿いの7漁協でつくる庄川沿岸漁協連合会(大門漁業協同組合・庄川漁業協同組合・砺波市漁業協同組合・庄川上流漁業協同組合・利賀村漁業協同組合・平村漁業協同組合上平村漁業協同組合)。
庄川の河口から5kmほど上流の庄川と和田川の合流点、高岡市石瀬の庄川左岸に梁(ヤナ)を設置。鮭の遡上をこの梁で遮断、庄川70mの川幅いっぱいに塩化ビニール製の簀子(すのこ)を渡し、中央に設けた開口部の捕獲槽(魚道)に鮭を誘導。捕獲カゴに入ってくる鮭を網ですくい上げています。
鮭漁は、10月中旬~12月中旬が旬で、梁に行けば鮭の遡上や鮭の捕獲を見学可能です。
また11月の土・日曜、祝日には『庄川鮭まつり』も開催され、鮭のつかみ捕りが楽しめます。
鮭は年間70t〜100tほどの漁獲量があり、鮎の30t〜40tと並んで重要な魚種になっています。
庄川流域で産卵に適した湧水が多いこと、そして下流部でも水質がAランクと恵まれた河川状況が鮭の遡上と鮎の生育を確保しています。
梁で捕獲された鮭は正月用の新巻や塩引きなどに加工されるほか、魚卵は筋子、イクラとして販売されています。
歴史的には、平安時代、越中の産物として庄川のの鮭・鮎が都に納められていたことが記録に残されています。
また近世(藩政時代)にも税として鮭・鮎が上納されていました。
もサケ・アユなどが税として上納されていたといわれ、海の「ブリ・タイ・タラ」と共に
加工品(保存食品)としても鮭・鱒は塩引、アユは薫製として製品になり、庄川町や大門町の名産品となっていました。
庄川鮭の梁漁|高岡市 | |
期間 | 10月中旬~12月中旬 |
所在地 | 富山県高岡市石瀬 |
場所 | 庄川左岸河川敷(石瀬)地先 |
電車・バスで | JR氷見線越中中川駅から徒歩20分 |
ドライブで | 能越自動車道高岡ICから約10km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 庄川鮭まつり実行委員会 TEL:0766-30-2583 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag