滋賀県大津市街を望む高台に建つ、大津市歴史博物館は、平安時代から交通の要衝として栄えた、大津の歴史や文化を紹介するミュージアム。大津の歴史の特色を6つのコーナーで紹介する「テーマ展示」と大津の歴史を年代順にたどる「歴史年表展示」で、日本の歴史の表舞台に登場することも多かった琵琶湖の要衝、大津を紹介します。
視覚的に大津の歴史と文化を詳しく紹介
常設展示のテーマ展示は、「堅田と比良山麓の村々」、「比叡とその山麓」、「大津百町」、「膳所六万石」、「近江八景」、「大津京」の6つのコーナーに分けられた構成に。
大津は、大きな津(港)に由来する地名で、まさに京への入口となる琵琶湖南岸の要衝だったことがわかります。
鉄道敷設までは物資や旅客輸送の多くは琵琶湖の舟運を頼り、琵琶湖の湊(港)近くに安土城などの城が築かれていました。
さらに園城寺(三井寺)の門前町、東海道・大津宿(宿場町)としても繁栄したのです。
関ヶ原合戦の際には、東軍の拠点となり、大津城に籠城した京極高次の活躍が、東軍を勝利に導いた遠因にもなっています。
現在の「近江八景」は、17世紀の初め(戦国時代~江戸時代初頭)に中国の山水画の画題になってもいる瀟湘八景(しょうしょうはっけい=洞庭湖と流入する瀟水と湘江の合流する一帯の水郷風景の名勝)になぞらえてつくられたもの。
鎌倉時代には日本に知られるようになり、近江八景が生まれ、歌川広重もその景勝を浮世絵に描いています。
大津宮中枢部、大津宿の中心街・札の辻の町並み、堅田の町並、坂本の町並、膳所城と城下を復元したジオラマ模型は、細部まで再現されているので、じっくりと見学を。
歴史年表展示は、「原始・古代」「中世」「近世」「近現代」の、4つのコーナーで、大津の歴史を年代順に解説。
穴太廃寺、崇福寺(すうふくじ)、南滋賀廃寺、園城寺前身寺院、大津廃寺、石居廃寺(いしずえはいじ)などの遺跡が残る古代寺院が造営され、中大兄皇子(天智天皇)によって近江大津宮が営まれた古代から大津には近江国の国府が置かれ、湖国・滋賀の中心として栄えてきました。
京への入口として東海道には逢坂関(おうさかのせき)が置かれ、さまざまなドラマを生んできました。
年2〜3回の企画展のほか、ミニ企画展も開催しています。
ミュージアムショップでは、書籍や「近江八景」などのオリジナル絵はがき、「大津絵手ぬぐい」などオリジナルグッズなどが購入できます。
大津市歴史博物館 | |
名称 | 大津市歴史博物館/おおつしれきしはくぶつかん Otsu City Museum of History |
所在地 | 滋賀県大津市御陵町2-2 |
関連HP | 大津市歴史博物館公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪石山坂本線別所駅から徒歩5分 |
ドライブで | 名神高速道路大津ICから約4km |
駐車場 | 70台/無料 |
問い合わせ | 大津市歴史博物館 TEL:077-521-2100/FAX:077-521-2666 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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