2025年度、新濃尾大橋開通で、「木曽川最後の渡し船」が廃止へ

新濃尾大橋

愛知県一宮市と岐阜県羽島市を結び、木曽川に新しく完成する道路橋が、新濃尾大橋。東海道新幹線木曽川橋梁、そして名神高速道路の木曽川橋の下流1kmほどに位置していますが、これまでは道路橋がなく、渡し船「中野の渡し」のみが木曽川を渡る手段となっていました。その渡船も廃止が検討されています。

木曽川最後の渡船は、県道の扱い

木曽川に新しく完成する橋長759mの橋は、2025年3月6日(木)、名称が「新濃尾大橋」に正式決定。
開通は、2025年度の予定となっています。

新濃尾大橋は、愛知県道135号・岐阜県道118号(羽島稲沢線)の一部となり、歩行者も渡ることができるため、供用開始後は愛知県営西中野渡船(中野の渡し)は、廃止の可能性が大。

現在、運営費は愛知県と岐阜県が負担し、無料の公営交通となっていますが、新濃尾大橋供用後の存廃に関しては、正式の発表はありません。
ただし、この愛知県営西中野渡船、県道羽島稲沢線として愛知県一宮市西中野と岐阜県羽島市下中町を結んで運航される「県道渡船」。
従来、県道の橋が完成した場合には渡船はお役目御免で、廃止となっているため、廃止が確実視されているのです。

県営渡船の利用者もかつては年間数万人を数えたといいますが、2011年度には4263人、2021年度には1777人と10年で半分以下に減少。

現在は月曜・木曜が運休で、昼食時など渡船に従事する職員の休憩時間を除いて日中の運航となっています。
ただし、2025年3月16日(日)~3月29日(土)は、木曽川大堰操作により水位が下がるため、岐阜県側に船を着けることが困難となり、運航は休止する場合もあるとのこと。
「渡船の乗り納め」に出かける場合は、木曽川大堰操作予定日を避けるのが賢明です。

ちなみに木曽川の渡し船はかつては20ヶ所以上のありましたが、高度成長で多くの橋が架けられ、現存するのはこの西中野渡船だけとなっています。
岐阜県でも1881年の統計では、172ヶ所の渡し船がありましたが、現存するのは西中野渡船と長良川の小紅の渡し(岐阜市)のみ。
渡し船は間もなく昔語りとなる見込みです。

2025年度、新濃尾大橋開通で、「木曽川最後の渡し船」が廃止へ
所在地 愛知県一宮市祐久外浦〜岐阜県羽島市下中町加賀野井
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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