壇鏡の滝

隠岐の島町の横尾山(572.8m)から流出する那久川にかかる滝で、「日本の滝百選」に選定の名瀑が壇鏡の滝(だんぎょうのたき)。落差45mの雄滝(右)、落差約35mの雌滝(左)と2本が並んで懸かり、雄滝は滝の裏側の岩窟に回ることのできる「裏見の滝」にもなっています。隠岐ユネスコ世界ジオパークのジオサイトのひとつ。

「日本の滝百選」の滝水は環境省の「名水百選」に選定

滝のある横尾山は巨大なカルデラの外輪山。
その外壁の溶岩から湧き出すのが壇鏡の滝です。
雄滝は滝の上部が固い溶岩、下部が水の浸食を受けやすい火山角礫岩。そして基部が凝灰岩という3層になっています。
火山角礫岩の地層が侵食されたことによってオーバーハングの滝が形成されたというわけです。
マグマ中に火山ガスが多い場合には溶岩流となり、火山ガスが少ないとと爆発的噴火が起こって浸食を受けやすい火山角礫岩を生み出します。
壇鏡の滝は、そうした隠岐の噴火の歴史を物語っているのです。

滝を挟む岩盤の中央に壇鏡神社の社殿があり、壇鏡神社の例祭として9月1日に佐山牛突場で行なわれる、隠岐の伝統行事「牛突き」の勝負水としても使われている滝の水は、環境省の「名水百選」に選定。
島では長寿の水、火難防止の水ともいわれています。
ペットボトルで持ち帰ることも可能ですが、容器は各自持参のこと。

伏流水が滝となって湧き出る那久川は、隠岐固有のオキサンショウウオも生息している清流。
駐車場には「壇鏡の夫婦杉」がそびえ立ち、滝へと続く参道も森閑として森林浴に絶好の地となっています。

ちなみに壇鏡神社の祭神・瀬織津姫(せおりつひめ)は、『古事記』や『日本書紀』には登場しない謎の多い女神です。
もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流すという祓戸大神(はらえどのおおかみ)。
古くからここが身を清める修験の場だったことが推測できます。

取材協力/隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会、隠岐の島町、島根県観光振興課

壇鏡の滝
名称壇鏡の滝/だんぎょうのたき
所在地島根県隠岐郡隠岐の島町那久
関連HP隠岐ジオパーク推進機構公式ホームページ
電車・バスで西郷港(ポートプラザ)からタクシーまたはレンタカーで40分
ドライブで西郷港から約24kmで壇鏡神社駐車場
駐車場壇鏡神社駐車場(10台/無料)を利用
問い合わせ隠岐の島町観光協会 TEL:08512-2-0787/FAX:08512-2-3950
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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