年縞(ねんこう/varve)とは、湖沼、河口などの底に堆積した土などの層が縞模様となった年縞堆積物のこと。福井県三方上中郡若狭町の北端、三方五湖のひとつ、水月湖で1年も欠けることなく7万年分、長さにして45mという世界的にも貴重な「ものさし」となる年縞が発見されています。
湖底に1年の欠けもなく7万年分積み重なった地層が!

1991年、三方湖の湖畔にある縄文遺跡・鳥浜貝塚の発掘調査の一環で、水月湖の湖底ボーリング調査が行なわれましたが、このとき、偶然に見つかったのがこの年縞。
1993年の再調査で、年縞は1年あたり厚さ0.7mmほどでひとつの層を形成、それが1年の欠けもなく7万年分積み重なり、厚さにして45m連続していることが判明したのです。
舞鶴若狭自動車道・三方五湖スマートIC近くには2018年に「福井県年縞博物館」がオープン。
福井県がわざわざ博物館まで新設するほど、水月湖の年縞が世界的にも重要だということに。
長い年月をかけて湖の底にできる堆積物で、水月湖の湖底は白っぽい層と黒っぽい層が交互に積み重なり、シマシマがつくられているとのこと。
黒い層と白い層セットで1年分の年縞で、これを過去に逆上ると、当時の気候が判明したり、遺跡で発掘される出土品の年代を正確に特定できる「ものさし」として活用できるのです。
「福井県年縞博物館」2階には全長45mという圧巻の年縞ギャラリーが設けられています。
ステンドグラスの状態で飾られた美しい年縞を、じっくりと観察すると、太い部分、色が異なる場所などがあります。
これがイベントと称される部分で、巨大地震による津波による堆積物、あるいは巨大噴火による火山灰の堆積などがわかるのです。
現生人類(ホモ・サピエンス)が、世界各地へと生存の場を広げていったのが7万年前とされることから「水月湖年縞の長さは人類史の長さに匹敵する」とのこと。
こうした7万年もの記録が年縞として残される場所は、目下、水月湖だけ。
水月湖の東には三方断層があり、水月湖は1年で平均1mmずつ沈降しています。
年縞は1年に0.7mm堆積するので、湖が埋まることなく、7万年もの間、堆積を続けることができたというまさに「奇跡の湖」なのです。
画像協力/福井県

7万年の歴史を刻む奇跡の湖、水月湖の「年縞」とは!? | |
所在地 | 福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1 縄文ロマンパーク内 |
場所 | 福井県年縞博物館 |
関連HP | 福井県年縞博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR三方駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 舞鶴若狭自動車道若狭三方ICから約4km |
駐車場 | 福井県年縞博物館駐車場(70台/無料) |
問い合わせ | 福井県年縞博物館 TEL:0770-45-0456/FAX:0770-45-3680 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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