明星桜

佐賀県伊万里市の東山代町にある巨桜が明星桜。浦川内（うらがわち）地区の観音堂境内に咲くエドヒガン系の桜で、樹高13m、根回り5m、幹回り11.4mで、幹は4本に分かれ、枝張りは東西21m、南北15mという九州随一の巨桜です。ソメイヨシノより1週間ほど早く開花し、例年3月末～4月初旬頃に見頃を迎えています。

伊万里に咲く九州ナンバーワンの桜の巨樹

「東山代の明星桜」という名称で佐賀県の天然記念物に指定されるほか、環境省の「巨樹・巨木調査」では、桜の部の「幹回り日本一」に認定されています。

花が咲いた際に夜、桜の下で火を焚いて花見をすると、花びらが火に映え、明星の趣きがあるところから、明星桜と名付けられたといわれています。

京の公家、浦内淡路守（うらうちあわじのかみ）が、松浦党2代・源直（みなもとのなおす）の家臣となり、浦川内を開拓しましたが、その際に京・壬生寺（みぶでら）の桜を持ち帰って植えたという伝説が残されています。
樹齢は定かでありませんが、 この地に源直が館を築き、総持寺（そうじじ）を創建したのは平安時代の久安年間（1145年～1150年）のことなので、浦内淡路守が桜を植えたのが史実とすれば900年近い樹齢ということになります。

明星桜も、ここ数年樹勢が弱まっており、開花や葉のつきが悪くなっていることから、独立行政法人森林総合研究所林木育種センター九州育種場でクローンによる後継苗木が育てられ、平成24年に浦川内地区に里帰りし、接ぎ木苗10本が植栽されています。

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2018年3月24日