富士山麓では、もっともミステリアスなムードが漂う溶岩洞窟が人穴(ひとあな)で、浅間大菩薩(せんげんだいぼさつ)の御在所とされる富士講の聖地。まつわる伝説も多く、『吾妻鏡』には建仁3年(1203年)には、源頼朝が仁田忠常(新田四郎)に人穴探検を命じ、家来が息途絶えたと記されています。世界文化遺産「富士山」の構成資産。
ミステリアスなムードが漂う伝説の洞穴
富士講の開祖とされる長谷川角行(はせがわかくぎょう/1541年〜1646年)はこの洞窟で修行し、入定したと伝えられることから富士講の浄土(浄土門)となっていました。
富士山信仰全盛の江戸時代には、洞内で修行をする人も多かったとか。
洞窟の周囲には供養碑や顕彰碑、登拝記念碑が230基も立ち、世界遺産富士山(「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」)の構成資産のひとつになっています。
犬涼溶岩流(いぬすずみようがんりゅう=富士山の側火山・犬涼山から流出した玄武岩質の溶岩流)にできた洞窟の全長は83m、足元は水がたまっており、聖域ということもあって現在入洞は禁止されています。
往時にはこの人穴地区は甲府へと通じる甲州街道、郡内地方に通じる郡内道(人穴道)が通っていた要衝の地でした。
人穴を管理する大日堂は廃寺となり、昭和29年に人穴浅間神社が復興建立されています。
人穴富士講遺跡 | |
施設名 | 人穴富士講遺跡/ひとあなふじこういせき |
住所 | 静岡県富士宮市人穴206-1 |
関連HP | 富士宮市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR富士宮駅からタクシーで30分。またはJR富士宮駅から富士急静岡バス白糸の滝行きで30分、終点下車、さらにタクシーで15分 |
ドライブで | 新東名高速道路新富士ICから約22㎞ |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 人穴富士講遺跡案内所 TEL:0544-52-1620 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag