村山浅間神社

富士宮市の村山地区は、富士山における修験道の中心地。そこに鎮座する村山浅間神社は世界遺産富士山(「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」)の構成資産の一つ。富士山の火山活動が沈静化した平安時代の末期、富士山頂に大日堂を建立したと伝わる末代上人が開いた寺がルーツです。

中世には修験者で繁栄した富士山村山口

江戸時代までは、大宮(富士宮)の富士山本宮浅間大社に参拝し、湧玉池での水垢離(みずごり)で身を清めた後に、村山へ向かうのが一般的でした。
江戸時代までの神仏混淆の時代には、富士山興法寺と村山三坊(池西坊・辻之坊・大鏡坊)があり、大宮・村山口登拝道や山頂の大日堂を管理していました。
富士山興法寺は、富士山での修験道の拠点として繁栄し、村山から富士山へ登る多くの修験者を集めていました。

富士講全盛の江戸時代には村山集落は修験者が住む地として繁栄していました。
村山浅間神社社殿は、明治の神仏分離で建立されたもので、現存する建物は鉄筋コンクリートによる再建。

明治初年に廃寺となった富士山興法寺の大日堂が現存。
江戸末期の建築で、正嘉3年(1259年)の銘がある大日如来坐像が祀られています。
また、境内には修験者が身を清めた水垢離場、石組の護摩壇なども残されています。

明治維新の神仏分離以降は廃れた登山口に

水垢離場
護摩壇

現在、富士山の山頂に鎮座する富士山本宮浅間大社の奥宮も江戸時代には村山の富士山興法寺が管理してきた大日堂だったのです。神仏分離、廃仏毀釈で浅間大社に移され、奉納されていた仏像などは、山頂から下ろされたたり、破却されてしまいました。

村山浅間神社(富士山興法寺)を登山口とする富士登山道(村山古道)は、地元の富士山村山口登山道保存会によって復活しています。
富士宮口六合目・雲海荘近くで新道に合流する道ですが、途中、わかりにくい場所などもあるので、入山にあたっては事前に登山道の状況の確認が必要です。

大日堂安置の木造大日如来坐像(金剛界)
富士山登山道村山口の入口に残る石畳
村山浅間神社
名称 村山浅間神社/むらやませんげんじんじゃ
所在地 静岡県富士宮市村山水神1151
関連HP 富士宮市公式ホームページ
ドライブで 新東名高速道路新富士ICから約13km
駐車場 8台/無料、スポーツビレッジ村山ジャンボ駐車場(70台/無料)も可能
問い合わせ 村山浅間神社案内所 TEL:0544-26-6713
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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