家山の桜トンネル

家山の桜トンネル

静岡県島田市川根町家山、大井川に並走する国道473号と大井川鐵道大井川本線沿いにある桜並木が、家山の桜トンネル。例年、桜が見頃となる3月下旬頃には、大井川鐵道のお花見列車(SL急行、EL急行)も運転され、この区間では徐行して車窓からお花見が可能です。

昭和6年に鉄道、県道の開通、交通の大変革を祝って桜を植樹

家山の桜トンネル

昭和6年、現在の国道473号の前身となる静岡県道7号(佐久間設楽線)開通し、大井川鐵道も金谷駅 〜千頭駅間が全線開通(昭和6年12月1日)したことから、それを記念して植樹されたソメイヨシノのです。
当時の中川根村(後の中川根町、平成17年に本川根町と合併して川根本町に)の村長から寄付された桜の苗を、下川根村(現在の島田市川根町)の消防組(現・消防団)が、金谷から中川根村までの道路沿いに植栽し、それが現存するもの。

当時、大井川の上中流部は、水運を除いた陸上交通では、山を越えて森、藤枝、静岡との交易が主体で、大井川筋には満足な道路もなく、下流の島田、金谷との交流はあまりありませんでした。
明治時代に千頭〜島田・金谷に大井川の通船が開始されましたが、下りは1日でしたが、上りには数日かかり、実用的ではありませんでした。
大井川水系における電源開発が計画され、大正11年4月23日に大井川鐵道が発足(それ以前の社名は駿府鉄道)、金谷駅〜千頭駅に鉄道が敷かれ、同時に県道も開削され、流通経路が大変換を遂げたのです。

こうした交通革命を桜の植樹で祝ったものという歴史は、すでに埋もれてしまっています。
植栽されたソメイヨシノはクローン種のため、病虫害に弱く、寿命は60~80年なので、そろそろ寿命を迎える老木ということに。

全長で1kmにもおよぶ桜並木ですが、家山の桜トンネルと称されているのは、280本ほどのソメイヨシノが200mほどの見事な桜のトンネルを形成、撮り鉄の間でも人気の撮影スポットになっています。

家山は、夢窓疎石とその弟子・了玄による「了玄の経橋」という伝説がある地のため、当初は了玄の桜トンネルとも称されていますが、現在では家山の桜トンネル、あるいは単に桜トンネルと称されています。

家山の桜トンネル
家山の桜トンネル
名称 家山の桜トンネル/いえやまのさくらとんねる
所在地 静岡県島田市川根町家山
関連HP 島田市公式ホームページ
電車・バスで 大井川鐵道家山駅から徒歩15分
ドライブで 新東名高速道路島田金谷ICから約14km
駐車場 家山川河川敷駐車場(300台/無料)を利用
問い合わせ 島田市観光文化部観光課 TEL:0547-36-7163/FAX:0547-37-8200
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大井川鐵道「SLさくら号」

大井川鐵道「SLさくら号」・「ELさくら号」運転|2024

2024年3月20日(水・祝)~4月7日(日)、茶畑と桜も美しい川根路を走る大井川鐵道では、春のお花見列車として、新金谷駅〜家山駅に蒸気機関車が牽引する「SLさくら号」、電気機関車の「ELさくら号」を運転。家山の桜は、例年3月下旬頃に見頃を

お花見列車 東海・近畿5選

車窓から桜見物ができる! お花見列車 東海・近畿5選

東海・近畿エリアで、車窓から桜を愛でるお花見列車としては、静岡県の大井川鐵道・家山の桜トンネル、天竜浜名湖鉄道・桜木駅〜原谷駅、岐阜県の樽見鉄道・谷汲口駅&木知原駅、そして京都府の京福電気鉄道・嵐電桜のトンネル、嵯峨野観光鉄道・トロッコ亀岡

牛代のみずめ桜

牛代のみずめ桜

静岡県島田市川根町家山、山越えで天竜と藤枝を結ぶ静岡県道63号(静岡県道63号藤枝天竜線)途中、家山川沿いに咲く樹齢300年ほどの一本桜が、牛代のみずめ桜(うしんしろのみずめざくら)。見事なエドヒガンで、例年、開花期の3月下旬〜4月上旬には

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ