静岡県榛原郡川根本町にある大井川鐵道井川線の駅が、アプトいちしろ駅。井川線は南アルプスあぷとラインとの愛称がありますが、実際にラック式鉄道(アプト式)を採用しているのは井川線で唯一の電化区間でもあるアプトいちしろ駅〜長島ダム駅間のみで、この区間が日本で唯一のアプト式鉄道。
アプトいちしろ駅でアプト式電気機関車に付け替え
昭和34年8月1日、川根市代駅として開業したのが前身で、長島ダム(平成14年完成)の建設に伴って、井川線の一部区間が水没するための線路の架替えで、その標高差を克服するために、ループ線ではなく、アプト式が採用されたもの。
日本国内では、昭和38年に信越本線・碓氷峠越えのアプト式が廃止されて以来の採用で、平成2年10月2日、川根市代駅を移転してアプトいちしろ駅に、川根長島駅を接岨峡温泉駅に改称し、長島ダム近くに長島ダム駅を新設して開業。
アプトいちしろ駅(標高396m)〜長島ダム駅(標高485m)の間は、わずか1.5kmですが89mも標高差があるため、最大90‰(パーミル)という日本一の急勾配をアプト式のラックレールで克服しています。
井川線ではディーゼル機関車(DD20)が客車を牽引していますが、アプト式の区間のみ、専用の電気機関車(ED90)に付け替えられます。
アプトいちしろ駅から長島ダム駅に向かっては、先頭に制御車(運転席のある客車)、最後尾に電気機関車を付けて、客車を押し上げる形で運転されています。
逆に長島ダム駅からアプトいちしろ駅へは、先頭が電気機関車で、そこが運転席です。
電気機関車(ED90)は、5台までの客車しか牽引できないので、それ以上の編成の場合は、電気機関車を重連にして対応しています。
アプトいちしろ駅のホームから長島ダム・千頭方面を眺める、アプト式電気機関車の留置線があり、電気機関車が留置されています。
また長島ダム駅まで続くラックレールの奥、最初のカーブには、90‰(パーミル)の急坂が控えています。
アプトいちしろ駅 | |
名称 | アプトいちしろ駅/あぷといちしろえき |
所在地 | 静岡県榛原郡川根本町犬間 |
関連HP | 大井川鐵道公式ホームページ |
問い合わせ | 大井川鐵道南アルプスアプトセンター TEL:0547-59-2137/FAX0547-59-2143 |
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