徳川家康公之像(静岡駅北口広場)

徳川家康公之像(静岡駅北口広場)

静岡県静岡市葵区黒金町、JR静岡駅北口広場に立つのが、徳川家康公之像。徳川家康公之像は駿府城公園(駿府城本丸跡)にもありますが、静岡駅北口広場が壮年期、駿府城が大御所時代のもの。静岡駅北口広場には今川義元の人質時代だった竹千代君・今川義元公像も立っているのでお見逃しなく。

手に采配を持つ壮年時代の家康像

徳川家康公之像(静岡駅北口広場)

静岡駅北口広場は、政令指定都市静岡市の玄関口の整備を目的に平成20年9月に完成。
徳川家康の駿府城入城400年を記念して行なわれた『大御所四百年祭』の一貫で、静岡市内には幼少期、壮年期、晩年の大御所時代(駿府城公園・駿府城本丸跡)の3体の家康像があることに。

像を制作したのは、駿府城公園の徳川家康公之像を制作した堤達男の子、彫刻家・堤直美。
同じ静岡駅北口広場に「大御所家康公駿府入城四百年祭」の記念事業の一環として同時に設置された人質時代の「竹千代君・今川義元公像」も堤直美制作で、今では親子で徳川家康の像3体を後世に残しています。
西伊豆出身の堤親子に3体を委ねたことで、幼少期、壮年期、晩年の大御所時代が一貫する像になっているので、興味のある人はぜひ見比べを。

大御所の像は鷹狩に興じる家康ですが、静岡駅北口広場の家康像は、手に「采配」(さいはい)を持つ凛々しい姿。
幾多の合戦で困難な状況を打破し、歴史を動かす決断を下す瞬間を表現しているのだとか。

壮年期というのは、本能寺の変で織田信長が没した後、徳川家康は羽柴秀吉(はしばひでよし)との覇権争いに敗れ、戦略的な観点から居城を浜松城から、駿府城へと移した時代。
酒井忠次とともに家康の片腕として活躍した石川数正(いしかわかずまさ)が、秀吉との雌雄を決める、小牧・長久手の戦いの後に出奔して豊臣秀吉に臣従。
つまりは家康を裏切った石川数正のため、三河勢の軍事的機密を知り尽くし、浜松城内の手の内を読まれてしまう恐れがあったので、駿府へと居城を移し、駿府を中心に、三河・遠江・駿河・甲斐・信濃の5ヶ国を経営しています。

駿府に移る前に羽柴秀吉と和解した家康は、秀吉の異母妹・旭姫を妻として迎え入れています(政略結婚で別居)。
この時、家康45歳、旭姫44歳でした。
浜松から駿府へと居城を移した家康ですが、当時の駿府は徳川と武田の戦乱でかなり荒れ果ており、家臣も浜松に残ることを希望し、『藩翰譜』にも、当初は大久保忠隣のみが移ったと記されています。

家康は、駿府で領国支配の法令「七カ条」を制定していますが、中世末期において近世的な制度を導入し、軍事体制の強化を図っています。
天正18年(1590年)、太閤となった豊臣秀吉の命令で、小田原攻め(北条攻め)に参加し、北条氏が滅亡後は、5ヶ国と交換に関東に国替えとなり(秀吉が東海を掌握する家康の経済力、軍事力を警戒)、江戸入封となったため、わずか4年で駿府を去っています。
その間に、駿府城の築城だけでなく、今川家の人質時代に元服した静岡浅間神社の社殿の造営、臨済寺の再興なども行なっています。

徳川家康公之像(静岡駅北口広場)
名称 徳川家康公之像(静岡駅北口広場)/とくがわいえやすこうのぞう(しずおかえききたぐちひろば)
所在地 静岡県静岡市葵区黒金町地内 JR静岡駅北口駅前広場内
関連HP 静岡市公式ホームページ
電車・バスで JR静岡駅から徒歩3分
ドライブで 東名高速道路静岡ICから約4km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 静岡市市街地整備課 TEL:054-221-1413
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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