中禅寺

中禅寺

中禅寺湖の名前の由来ともなった寺で、延暦3年(784年)、男体山登頂を達成した勝道上人(しょうどうしょうにん)によって創建された日光山輪王寺の別院が中禅寺。勝道上人は、天応2年(782年)に男体山登頂を達成し、その後、二荒山神社の神宮寺として中禅寺湖の登拝口に堂を建て4年間滞在したと伝えられています。

本尊の立木観音を間近で拝観

中禅寺
本尊の千手観音像(国の重要文化財)

明治の神仏分離、廃仏毀釈まで、日光山は神仏習合の寺でした。
中禅寺も、二荒山神社の神宮寺・補陀洛山(ふだらくさん)中禅寺として、男体山登拝口近くに建立されたもの。

明治5年、神仏分離により中禅寺と日光二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし)に分かれています。

男体山山麓、中禅寺湖北東岸の中宮祠に建っていましたが明治35年の山津波で被災。
歌ヶ浜に再建されました。
中禅寺湖に流された千手観音像は奇跡的に3日後に浮かび上がりましたが、それ故に苦難や災事を乗り越える力を与えてくれるとの信仰を集めているのです。

中禅寺の本堂に安置する本尊の千手観音像(国の重要文化財)は、勝道上人が自ら桂(カツラ)の立ち木に彫ったといわれているもので、約6mもの堂々とした姿が印象的。
それが別名「立木観音」と呼ばれる由縁になっています。

境内には戦前に大ヒットした松竹映画『愛染かつら』(主演上原謙、田中絹代/昭和13年)のロケ地になった愛染堂もあります。
愛染明王像を安置する愛染堂は、縁結びのパワースポットとして戦前から有名です。

五大堂には降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王からなる五大明王像を安置。
境内最高所となる五大堂から湖を望む景色もなかなかの絶景です。

参道の巨木にある「身代わり瘤」(みがわりのこぶ)は、自分の悪いところ、痛いところを触ってから瘤に触れると、身代わりになってくれるという伝説の木。
まずはここで悪いものを払って、立木観音に参詣を。

6月18日に『中禅寺講』(観音講)が行なわれ、観音様の大法要と、大黒天大護摩供を実施。
8月4日が『船禅頂』(ふなぜんじょう)で、日光開山勝道上人の霊跡を船で巡拝。参加者に限り、船禅頂限定の特別御朱印が授与されます。参加には予約が必要。
坂東三十三観音(坂東三十三箇所)の第18番霊場。

坂東三十三観音霊場間の距離・時間

17番・出流山満願寺/出流観音(栃木県栃木市出流町288) — (75km/1時間50分) — 18番・日光山中禅寺/立木観音(栃木県日光市中禅寺歌ケ浜2578) — (45km/1時間) — 19番・天開山大谷寺/大谷観音(栃木県宇都宮市大谷町1198)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です

中禅寺 3つのチェックポイント

中禅寺湖の名前の由来となった寺
輪王寺の別院で、別名「立木観音」でも知られる
戦前の大ビット映画『愛染かつら』のロケ地

中禅寺
名称 中禅寺/ちゅうぜんじ
Chuzenji Temple(Tachiki Kannon)
所在地 栃木県日光市中宮祠2578
関連HP 日光山輪王寺公式ホームページ
電車・バスで JR日光駅・東武日光駅から東武バス中禅寺温泉行き、または湯元温泉行きで45分、中禅寺温泉下車、徒歩20分
ドライブで 日光宇都宮道路清滝ICから約15km
駐車場 県営歌ヶ浜駐車場(150台/無料)
問い合わせ 中禅寺 TEL:0288-55-0013/FAX:0288-55-0801
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/日光山輪王寺

中禅寺湖遊覧船

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中禅寺湖

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大谷寺(大谷観音)

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